ブレーキはシングルピボットが好き

今回も、昔のパーツのデザイン寄りの話です。ブレーキ編です。

自転車のブレーキにはいろいろな形式のものがありますが、
ワイヤーを引っ張って、てこの原理で左右のブレーキアーチを絞り、
ブレーキシューを左右からリムに押し当てて止める、のが一般的ですね。
これを「キャリパーブレーキ」と呼びます。

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もう少し詳しく言うと、上の写真のようなイマドキの物は、
外観からは分かりにくいですが、左右のアーチの「てこ」の軸が独立しているので、
「デュアルピボット」とか「ダブルピボット」と呼びます。

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これは70年代のカンパニョーロ製のブレーキです。
特徴は、左右のアーチの軸が共通、真ん中に一本しかありませんね。
なのでこれを「シングルピボット」と呼びます。
おおむね80年代までは、ブレーキはシングルピボットが主流でした。

シングルピボットはデュアルピボットに比べて
「制動力が弱い」「片効きしやすい」などと言われますが、
きちんと整備すれば必要充分な制動力は得られますし、構造がシンプルなぶん軽量です。
(現在でもカンパのリアブレーキはシングルピボットですね)
そしてなんと言っても、シングルピボットは、
★中心に1本の軸がある造形が美しい!★

…という個人的な思い込みも含めて、
昔のシングルピボットブレーキをいくつかご紹介したいと思います。
といっても大したコレクションがあるわけじゃないです。

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くだんのカンパのブレーキ、これが性能もデザインも非常に完成度が高くて、
他のメーカーはこれをずっと追っかけてきた、というところがあるんではないでしょうか。

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サンツアー シュパーブプロ
シューやアジャスタのレンガ色がなかなかシックです。

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吉貝ニューグランコンペ400

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シマノ デュラエース 7400
長年愛用しています。

上の3つは80年代の国産です。
カタチ自体はどれもとてもキレイだと思いますが、まーよく似てる。
肯定的に捉えると、すっかり完成されたカタチなんでしょう。
もうちょっとがんばってほしかった気もしますけどね。

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これはさらに古めの73年発売の初代のデュラエース。
華奢で色白な美人さんですよ。和服が似合いそう。私好み。

これはちょっと珍品かも?

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80年代にほぼ無意味な「エアロ」が流行ったころの、エアログランコンペ300。

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ヘッドチューブやフロントフォークの影に隠れるほど小さく作れば、
前面投影面積が減って「エアロじゃろう?」という設計。
たしかにすごく小さい。
アジャスター付きのアームも上へ伸びていてヘッドチューブの影の中。
特に面白いのは、ブレーキシューまわり。

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なんと円弧移動でシューの位置を調整する。
さらにブレーキシュー自体もタマゴ型というか翼断面。
そのエアロ的効果はともかく、ここまで徹底的にやればたいしたもんです。
でもあまり売れなかったんだと思います。^^;

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これはオマケですが、70年代のかなり初期型のグランコンペ。
ワイヤーが右引きのところが「和風」です。
ボロですが、まだまだ現役で使えています。^^

海外の製品だと、例えば MODOLO(モドロ)とか面白いのですが、
残念ながら手元にはないので、またの機会があればご紹介したいと思います。

では。

40年前の初代デュラエース 1st.DURA-ACE

シマノのトップグレード DURA-ACE デュラエース。
第一世代の発売が1973年だというから、既に40年以上も続いているんですね、
今回はこの記念すべき第一歩、初代デュラエースについてご紹介したいと思います。
(ちなみに当時は「ジュラエース」と表記してました)

私が自転車趣味に本格的にはまってしまったのは77年ころで、まだ学生だったので、
デュラエースで組まれたような高級なロードレーサーは手の届かない憧れの対象でした。
ショップの常連さんや知合いがそういうのに乗ってくると羨ましかったですねぇ。
なので、初代デュラエースがほぼフルセットで組まれている CHESINI が入荷した時は、
懐かしくて、感慨にふけりましたね。
例えて言えば、昔憧れていた女子生徒に30何年かぶりに再会したような…とか?(笑)

で、その女子、じゃなくて初代デュラエースですが、
主にデザインに注目して、ひとつずつ見ていきたいと思います。
多分に私の主観と偏見も交えながら。^^;

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まずギヤクランク。
全体に華奢というか繊細な印象を受けます。
アームは薄くて、クランクも細め。さらにしっかり肉抜きもされています。
よくある5アームですが、カンパとは似ないようにがんばってる。
チェーンリングのパターンが少々うるさいという人もいたけども私は好きです。
表面仕上げもとても美しいです。

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次はブレーキ本体。
他のメーカーが、カンパのコピーみたいなものばかりを作る中、独自路線です。
やはり細身の華奢な印象ですね。
白っぽいアルマイト仕上げが美しく、高級感と精密さを醸し出しています。
実際、動かすと機械的精度はさすがシマノです。

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ブレーキレバー。
ブラケットがまだ太めですね。
このあと世代が進むと細くなっていきますが、STI化で突然バカデカクなります。
レバーに穴がたくさん開いているのは当時の流行。でも穴が小さく控えめなのが和風?

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リア変速機。
クレーン CRANE(鶴)という、それ以前からあったリヤ変速機をそのまま
デュラエースのコンポとして採用しています。
なので、”DURA-ACE”という刻印やプリントはありません。
このクレーンは、元々ロードレーサー専用設計ではなく、キャパシティーも大きめ、
ガタイも大きめでガッシリしています。見るからに質実剛健な作りです。
角張ってメカっぽくて、ギヤクランクやブレーキとは雰囲気が違うけどかっこいいです。

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フロント変速機。
これもメカメカしていいて、リヤのクレーンとはお似合い。
プレートに穴が開いているのは、デュラとしてはこれが最初で最後かも、ですね。

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シフトレバー。
これがまた一転、柔らかなラインの女性的な感じです。お肌つるるん。
こういうデザインの一貫性がビミョウなところが、いかにも「初代」なのかも。
ただし、取付け台座が当時のシマノのオリジナルタイプなので要注意。

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こういう形の台座です。カンパとは互換性がない。
そういう理由で件の CHESINI には、カンパのシフトレバーが付いています。

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ハブです。
形はいたって普通ですが、やはり美白なアルマイト仕上げがきれいです。
回転はきわめてスムーズで、グリスアップ時の調整もすぐ決まる精度の良さ。
高級な部品というのはこういう物か、と、当時感心したものです。

以上、初代デュラエースを見てきました。
いかがでしたか。
私と同じようにノスタルジーに浸る方もいれば、
最近のシマノしか知らない世代には新鮮な感じを持たれた方もおられるのでは。

こうなると、
サンツアーやシュパーブについても語りたくなりますねー。^^;
おじさんの昔話は迷惑かもしれませんが、そのネタはまた別の機会に。

では。

チューブラータイヤのススメ

2014年7月現在の当店の完成車は、全て、チューブラータイヤ仕様です。

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その理由は、
昔は、ロード(レーサー)といえば、チューブラーが基本、
いや、チューブラーでなければ胸張って「ロード」と言えなかったんですから。
時代考証からいって、やっぱチューブラーなんです。

なので、せっかくビンテージのロードレーサーに乗るのなら、
できれば、皆さんにもチューブラーを選んでほしいと思っています。

これは単なる懐古趣味でもなくて、
転がりの軽さや、しなやかな乗り心地など、チューブラー特有の良さがあるので、
それも楽しんでもらいたいなと思うんですよね。
(クリンチャーを否定しているのではありません。私も自家用車で使っていますよ)

ただ、チューブラーって、
面倒くさそう、難しそうというイメージがあるかもしれません。
でも、以外に、案ずるは産むがヤスシキヨシです。

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走る時はたいてい、こんなふうにスペアタイヤをたたんで、サドルに吊って携行します。
(このやり方には好みや流儀がいろいろあります)
もしパンクしても、サクッとタイヤを交換して走りはじめることができるので、
ある意味、クリンチャーより楽です。

パンク修理は、針と糸で縫うなど、自分でやるには確かに難易度が高めですが、
少しもったいないけれど、廉価なタイヤを使い捨てにするのもアリでしょう。
リムへ接着する手間も、今はチューブラーテープ(専用の両面テープ)のおかげで、
ずいぶんと楽になりました。
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最近、とうとう私もテープを使うようになりましたよ。^^

どうです? すこしはイケそうな気がしてきました?

チューブラーの扱い方については、
いずれこのブログでもいろいろ紹介していきたいと思います。

では。

Facebookページ始めました

ビチクレッタ湘南の Facebookページを始めました!

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カバー写真は、このウルトラ3兄弟です。

このウェブサイトの「HOME」「BLOG」および各ブログ記事のサイドバーに
Facebookページへの入口を設けましたので、
まだたいした内容はありませんが、ぜひ一度、覗いてみてください。

みなさまとのコミュニケーションを大切にしていきたいと思っておりますので、
なにとぞよろしくお願いいたします。

Facebookは今回初めて使うので、まだ使い方や仕組みの理解が怪しいですが ^^;
がんばって運用していきます!

サイクルスポーツ 昭和52年増刊「自転車の整備と修理」

実家に帰省した際、とんでもなつかしい本を見つけました。

サイクルスポーツ 昭和52年11月号臨時増刊
「自転車の整備と修理」

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昭和52年って、1977年。37年前かー。
当時、私自身が購入したものです。すっかり存在を忘れていましたが。

37年前といやぁ、私もまだ十代の、容姿端麗で品行方正な少年、いや小僧でしたが、
生意気にも、すでにチューブラータイヤを履いたロードレーサーに乗っていました。
もちろん新車で買えるわけはなく、知り合いから安く譲ってもらった中古でしたが。
自転車のメンテナンスに目覚めたのもこの頃ですね。

さて、37年前のメンテナンス本というのはどんな感じでしょう。
(著作権の問題もあるのでさらっと紹介します)

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目次です。すでになにやらマニアックな匂いがします。

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しょっぱなの12〜13ページ目で、いきなりBBとヘッド!の組み付けが始まります。
そのまま、全てのパーツがバラバラの状態からランドナーを一台組み立てていく
という、あきらかに初心者を排除する展開です。^^;

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その次のページからは、当然のように、ホイール手組みの解説。

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35ページ目では、早くもぱぱっとワイヤー処理をして、完成!
メンテナンスというより、自転車整備士の実技試験みたい。

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フレームの再塗装も解説しています。

メインの「主要パーツの形式別組み立て調整法」という記事では、

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シマノ、サンツアー、カンパ、サンプレ、ユーレー、など
いろんなメーカーのなつかしいパーツがたくさん出てきて、分解/組立を解説しています。
これは見ていて楽しいですし、資料的な価値もありそうです。

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チューブラータイヤのパンク修理の説明には、6ページもさいて詳しく解説しています。
チューブラーのパンク修理は「針と糸で縫う」んですけど、
ヘタクソだと、修理箇所の太さが変わったり、縫い目がずれてクネったりするんです。
みんな苦労してました。なので、詳しく書いてあるんですね。

当時、学生の私にとってはチューブラータイヤは高価だったので、
いきつけのショップの店主さんや常連さんから、古タイヤをタダでもらって、
完全にダメになるまで何度も何度もパンク修理をしながら使っていましたよ。

掲載されている広告もなつかしいです。

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ユーラシア、ルマン、ニシキ、シルク。
どのメーカーも、ランドナーやスポルティーフのラインナップがしっかりしています。
自転車は「旅心」をくすぐる、そんな時代でした。

それにしても、こりゃなかなか「濃い」本です。
レストアをする人にはよい資料になりますし、
おじさんサイクリストにとっては酒のつまみにもなります。
八重洲出版さん、これ、電子化しませんか。

ちなみに、この本は販売はしません。個人的な蔵書ってことで。

では。

★コルナゴ COLNAGO SUPER 1970s フレームセット販売開始!

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1970年代末頃のコルナゴ・スーパーです。
完成車ではなく、フレームセット(フォーク、ヘッドパーツ付き)として販売致します。

ビンテージロードレーサーの「スタンダード」と言っても過言ではないコルナゴスーパー。
今なお、その魅力は褪せていません。
この機会に手にされてはいかがでしょうか。

価格は 72,000円

商品ページはこちらです。
よろしくお願いします!

トマジーニ TOMMASINI Racing 1980s 準備中

お待たせしています トマジーニ TOMMASINI の準備を進めています。

トマジーニは、イタリアでも数少なくなった、フレームを溶接から塗装まで一貫して
イタリアの自社工場で行うハンドメイドメーカーです。
流通量が少ないのは、職人のこだわりを持った物作りをしているからですね。

ちなみに、NHKの番組で火野正平さんが乗っている「チャリオ君」もトマジーニです。
いいのに乗ってるなー。

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このフレームは “Racing” という80年代のモデルで、日本国内ではまず見かけません。
チューブはおそらくコロンバスSL。ヘッドコラム内側にスパイラルが見えます。
深い青のペイントと伝統的なデカールが、イタリアン・ビンテージの雰囲気を醸し出しています。

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特にフォーククラウンのデザインなんかすばらしいです。

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通常使用による傷はそこそこあるのですが、たいてい近似色でタッチアップされていてます。
大きめの傷としては、右側チェーンステイのチェーンリングと重なる部分に、
チェーンと擦れて塗装が剥げた(タッチアップさていますが)痕跡があります。
ヘコミや歪みは見られません。フレームゲージ類で確認しました。ピシッとしてます。
BBやヘッドチューブの内側もきれいです。

さて、このフレームに、ストックパーツ棚からヨサゲなものを選んで、組み付けます。
フレームの持つイタリアン・ビンテージな雰囲気を壊さないように、
やっぱり当時のカンパニョーロをメインに組みたいですね。

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まず、ギヤクランクはカンパレコード。170mm,52x42T。

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BBもちゃんと当時のカンパです。

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変速機はカンパの3点セット。リヤ変速機にはスーパーレコードを奢ります。

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チタンボルト、いい色してるじゃねーか、へっへっへっ。
(ボルト見ながらニヤニヤしているのはキモイね)

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ハンドルはチネリの CAMPIONE DEL MONDO 66-42。
形状はまさに「丸ハンドル」クラシックです。

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ステムはチネリの 1A、120mm。少し傷があります。

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ハブはサンツアー シュパーブ。
リムはこの時代の定番マビックGP4。希少な旧タイプの赤ラベルです。
古いリムセメントは除去済みです。

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ブレーキ本体はカンパそっくりさん?の吉貝ニューグランコンペ。

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ブレーキレバーはサンツアー シュパーブ。これも良く似てます。^^;
ラバーフードは現行のダイヤコンペを使います。

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ボスフリーはサンツアー ニューウイナー、13〜21Tの6速です。

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シートポストは当時のKALLOY。墨入れ溝付きで時代の雰囲気です。

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サドルはセライタリア Turbo Special の白。
少し使用感はありますが、深い青のフレームに白が似合うでしょう。

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ヘッドパーツはタンゲレビン、このフレームに付いてきた物。鉄がいいね、ピカピカで。
フレームから全部取り外して洗浄、グリスアップ済みです。

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チェーンはシマノCN-HG91。新品です。
8速以下で使える現行品としてはベストチョイスだと思います。

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チューブラータイヤは、ビットリアの STRADA。新品です。
ビットリア RALLY の上位品です。

 

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実は、すでにほぼ組み上がっています。(ペダルは付属しません)
このあと試走して、調整して、バーテープ巻いて、写真をたくさん撮ったら販売開始です。

なお、サイズは、シートチューブ長が約565mm(C-T)、トップが約550mm(C-C)です。

お楽しみに。