Campagnolo VICTORY と TRIOMPHE 兄弟比較

完成車準備中の F.MOSER のメインパーツ、


Campagnolo TRIOMPHE トリオンフ。
80年代のCレコ期初期のグループセットで、
RECORD > VICTORY > TRIOMPHE と3番目のグレード。
主に完成車メーカー向けに供給されていたという事もあって、
日本ではなかなかお目にかからないですね。

で、同じ時代の一つ上の兄貴分


この VICTORY とは双子のようによく似ています。
VICTORY の詳細はこちらのブログでご紹介しています)
しかも、
VICTORY“,”TRIOMPHE” どちらも「勝利」を意味する語です。

で、手元にあるせっかくの機会ですので、
この VICTORY と TRIOMPHE をよく比べてみたいと思います。
(以下、横に並べた写真では左側が VICTORY です)

まずはギヤクランク。


ギヤ板は共通(BCD=116mm)ですが、
アーム部分の形が違い、TRIOMPHE の方が「星型★」です。
VICTORY はクランクとアームが滑らかにつながっているのがキレイ。

また、BB軸へ取り付けるクランクボルトが


VICTORY はCレコクランクと同じワンキーリリース式ですが、
TRIOMPHE は普通のボルトでダストキャップも正ネジ。

リアディレーラーは


どちらも「角形のCレコ」的デザインでよく似ていますが、
ピボット&テンションボルトの形状の違いで見分けがつきます。

ちなみに写真の個体は、
推定87年製の Nuovo VICTORY、と推定84年製の TRIOMPHE
プーリーケージやアジャストボルトの形状、プーリーの色などにも
違いが見られますが、
TRIOMPHE も87年頃に Nuovo TRIOMPHE にアップデート
されると、これらの違いも VICTORY と共通化されます。

機能的なところでは


VICTORY には取付け角度を変えられる機構がありますが、
TRIOMPHE にはありません。

フロントディレーラーはほとんど同じで、
直付けタイプだと見分けるのが難しいのですが、
バンド締めタイプだとわかりやすいです。


VICTORY にはバンドの蝶番が2つあります。
このほうが締めつけた時に塗装に傷をつけにくいという工夫です。
TRIOMPHE は従来通り蝶番が一つだけ。

シフトレバーがまた微妙。


VICTORY
 は完全に並行ストレートで、
TRIOMPHE は先端が少し広がっていて、50周年レバーに近い形状。
どちらもとってもシンプルですね。

ブレーキは写真ではわかりにくいのですが、


TRIOMPHE はアーチ部分の断面が「なだらかなかまぼこ型」で、
旧来の Super/Nuovo RECORD や GRAN SPORT に近い形状です。
また、軸先端のナットが TRIOMPHE は袋ナットではありません。

ブレーキレバーはひと目でわかります。


VICTORY には細かい穴が多数ありますが、
TRIOMPHE には穴がありません。
従来の Super RECORD と Nuovo RECORD の関係と同じです。
ブラケットのフードの色が違いますが、
マイナーチェンジで TRIOMPHE のフードも白になります。

ヘッドパーツは


VICTORY には帯状の刻印 “BREV CAMPAGNOLO…” があり、
TRIOMPHE はのっぺらぼうで、ややキノコ型。
スタックハイトは(正確には測っていませんが)ほぼ同じ。

シートポストは基本的に同じものです。


CROCE D’AUNE、CHORUS、ATHENA などでも使われる、
80年代後半におけるカンパのスタンダード。
製造時期によって盾型ロゴの彫りの深さが違うこともあります。

ハブは、本体は全く同じものですが、


クイックリリースのカップとナットだけ形状が違います。
(左側が VICTORY
こんなん同じものでいいじゃん、とか思うけど ^^

ペダルは残念ながら実物がありません。


TRIOMPHE
(下側)の方がスニーカーでも踏みやすそうな感じ。

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この TRIOMPHE
3番目のグレードとはいえ、見た通り VICTORY との差は小さく、
機械的な作りはもちろん仕上げなどの質もとても良いです。
オーバーホールして組み直してみると、なおさらよくわかります。
おそらく大したコストダウンにはなっていません ^^;
そこがこの時代の「カンパの美味しいところ」かもしれませんね。