ハブのオーバーホール デュラエース7400編

こー暑いと、エアコンのちゃんと効く部屋でできる仕事に逃げたくなります。
なので、デュラエース7400のハブをオーバーホール…。^^;

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デュラエース最後のボスフリータイプのハブです。
すこし傷や使用感はありますが、はるばるイタリアから帰国してきたコなので、
全部バラして内部もきれいしてあげましょう。

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ロックナット(一番外側のナット)が六角ではなく、ハブスパナを使うタイプ なので、
13mm(フロント)、14mm(リヤ)のハブスパナを各2本ずつ用意します。

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バラす前に、 シャフトの端っこの部分にディグリーザーとブラシできれいにしておきます。
ここのネジに汚れがこびりついたままだと、玉押しなどがスムーズに抜けなくて
余計な苦労をするんですよね。

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ロックナットを緩めて抜いて、
舌付きワッシャを抜いて、
玉押しを抜いて、
シャフトを抜いて(玉が落ちてくるので無くさないように注意)
キャップを慎重に外します。
グリスも残っていて、一応メンテナンスを受けていた様子がうかがえます。

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玉はウエスかキッチンペーパーの上に出します。
ウエスなら、タオル地よりも綿の肌着のような薄くて毛足の短いのがおすすめです。

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ペーパーを折ってかぶせて玉を軽く転がすと、おおむねきれいになります。

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玉は数を確認しながら、茶こしに移し替えた後、

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ディグリーザーをかけて、指で直接グリグリして洗います。
(ゴム手袋を使いましょう)

その他の部品もディグリーザーを使ってきれいにします。
細かい所は歯ブラシなども使って汚れを落とします。
まだ乾かないうちにきれいなウエスで拭きます。
この時
「きれいになぁれ、きれいになぁれ」
と声に出してフキフキすると効果的です。^^

リヤハブも同じようにばらしてきれいにします。

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洗浄完了!
カップも玉押しも玉もきれいです。このままなにも交換せずに行けます。
いつもそうだといいんですけどね。
洗ったままにせず注油しておきます。

でもね、ここで気がついた。
リヤハブのシャフトと玉押しとロックナットが、なぜかカンパニョーロ製だ。^^;

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カンパの刻印があります。
どういう経緯があったのかはわかりません。
でも、ベアリングの状態はよく、バラす前もガタ無く回転もスムーズでしたので、
日伊のコラボは上手くいってるようですね。
まぁ、古い物だと、たまにある事です。
ともかく、意外なところで「シマニョーロ」でした。

さて、ここから組み立てです。
言い忘れましたが、バラす前に部品の順番や向きを確認して覚えておきます。
ま、ハブは比較的単純なのでよいのですが、
変速機などややこしいものは写真に残すと後で助かることも多いです。

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シャフト片方のスレッド部にグリスを塗って、
玉押し、ワッシャ、ロックナットを取付けます。
リヤのシャフト長は実測134mm。オーバーロックナット寸法は126mmなので、
その差の半分、つまり4mmがシャフト端のでっぱりの寸法になります。
そうなるようにロックナットを締めます。

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両側のカップにグリスを盛って、玉を並べます。

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黒いキャップはパチンとはめるだけです。

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防錆も兼ねてシャフト全体にグリスを塗ったくります。
玉押しやワッシャ、ナットにもグリスを塗っておきます。
で、そろっとシャフトを通します。

さて、玉当りの調整です。

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反対側の玉押しを玉までねじ込んだら、シャフトを回してグリスをなじませながら
ガタがなくてスムーズに回るポイントを探りながら玉押しの位置を調整します。

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舌付きワッシャやスペーサーを入れて、ロックナットを締め付けたら、回転を確認。
ガタが全く無くて、かつスムーズに回るポイントがアタリ。
大抵は一発じゃ決まんないので、納得がいくまでやります。
さらにグリスがなじむまで、しばらくシャフトをグリグリしてから再度確認します。

玉当りの調整はカップ&コーン式ベアリングの共通項。
ペダルやヘッド、BBなんかも「納得がいくまでやる」という基本は同じです。

前後とも組み上げたら、きれいなウエスで全体を拭いて全行程完了!

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仕上がり上々!
文句無し!
いずれこれでホイールを組みたいと思います。

ハブのメンテナンスができれば、自転車はずいぶん長持ちしますよ。
まだご自分でされたことが無い方もトライしてみてはいかがですか?

では。

カーボンフレーム黎明期のレイダック

ちょっと珍しいモノがあるのでご紹介します。
1990年頃?のブリヂストン製レイダックのカーボン仕様フレームです。
カーボンフレームは、当店としては基本的に「守備範囲外」なのですが、今回は特別。

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レイダック RADAC と聞いてなつかしい方もたくさんおられると思いますが、
20〜30年くらい昔の、ブリヂストンのスポーツ自転車ブランドです。
アルミフレームやアルミ/クロモリのハイブリッドフレームのイメージが強いですが、
フラッグシップとしてこのカーボンモデルもありました。
当時のオリンピック選手やトライアスロンのトップ選手にも使用されたらしいですが、
ネット上の情報も少なく、希少、あるいは珍品かも??

カーボンフレームといっても、最近のモノとはかなり様子が違います。

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主なチューブはカーボン製ですが、
フォーク、ラグ、BBシェル、ヘッドチューブ等はアルミ製の「ハイブリッド」です。
しかも、カーボン地の部分も 指ではじくとカーボンらしからぬ高い音がしますので、
薄いアルミチューブにカーボン巻きなの??かもしれません。
まだ、カーボンモノコックで作る技術が無かったんですね。
まさに「カーボンフレーム黎明期」の物と言ってよいと思います。

それでも、手に持てばすぐにわかる程に軽いフレームです。
シートチューブが約525mm(C-T)、トップが約525mm(C-C)のサイズで、
本体+フォーク+ヘッドパーツ+シートピン+ロードエンドアジャスタ付き
の状態で実測約1930gでした。(厳密な計測ではありません)
これは当時としては抜群に軽量だったでしょう。

パイプとラグを繋ぐのに接着剤を使っていますが、
歪みやクラックやガタなどの問題は見られません。
シートラグ内側のシートステイの接合部にはネジが切ってあるのも見えるので、
ちゃんと信頼性が検討されているのでしょう。そこはさすが国産、ブリヂストン。

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このフレームには、DURA-ACE のシートポストが付属しています。
えっらい美品です。
シートポスト外径は25.8mm。妙に細いのはラグがアルミ製のためでしょう。

リヤのエンド内幅は126mmですが、
試しに130mm幅のホイール(DURA-ACE WH-7850)をはめてみたところ…

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さほど力を加えることなくあっさり収まりました。
チェーンステイの根元にブリッジが無いためか、素材の特性なのか、
後三角(言い方が古いかな?)は横方向へ少し柔軟性があるようです。
エンドがハの字に広がったり、ホイールのセンターがずれたり、も見た感じでは無さそう。
10速スプロケットとフレームのクリアランスも取れていそうなので、
最近のコンポで組めるかもしれませんね。★保証はできませんが。^^;

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前輪もはめてみました。うん、現代風のホイールも存外よく似合うじゃない。
フレームは全体的にかなりきれいだし、
トップチューブがホリゾンタルで、チューブが極端に太くないのも、いいな。

で、これ、どうしようかなー。
店のホームページじゃなくて、ヤフオクに出品するかもしれません。
もうちょっと考えます。

では。

追記:この商品は完売いたしました。ありがとうございました。

酒の肴にシートステイ

シートステイの先っぽ、つまりシートポスト付け根のあたり、
あそこは、ほんっとにいろんなカタチや装飾があって面白いです。
ブランドによって個性が出ますし、時代によっても変わりますし。
今回はそこんところを、例によって、ユルく、うだうだ語りたいと思います。

まずは、最もノーマル、と思うものを。

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1970年 MASI マージ
実に飾りっ気がないですが、全てここから始まる感じがします。
端正に削り込まれた周辺のラグワークも含めた景色に品があると思います。
ビルダーさんが真剣にヤスリをあてている姿が浮かびますね。

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1980年代 DE ROSA デローザ

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1985年製 NAMBEI ナンベイ
このコたち2台は、カタチはごくノーマルですが軽めに刻印が入っていますね。
このくらいシンプルなのがロードレーサーとしては「潔く」て好きです。個人的には。

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1980年代 TOMMASINI トマジーニ
シートステイのチューブがダブルテーパー(チューブの両端が細くなる)仕様のため、
先端が細くなっていますね。繊細な印象がします。

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1970年代 CHERUBIM ケルビム
先端が巻き付くようになっているので「巻きステイ」と呼ばれます。
(写真が悪くてちょっと分かりにくいですけど)
特にランドナーやスポルティーフなどツーリング車で人気のあるカタチですね。
フランスの名車、ルネ・エルス(昔は「ルネルス」と呼んでました)の影響かな。

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これも巻きステイですが、よく見ると左右のフタが一枚でつながっています。
「一本巻きステイ」と言ってたかな。
これは滅多に見かけないです。珍しいと思います。

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1970年代 COLNAGO コルナゴ
フタが丸く凹んでいるタイプは今でも見かけますね。昔から人気あります。
でも名称が思い出せません。たしかいろんな呼び方があったような…。

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これも同じくフタが丸く凹んでいるタイプですが、
フタが大きくて、美しくめっきもされていて、ドヤって感じ。目を引きますね。

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1970年代 CHESINI チェジーニ
フタに丸い凹み、めっき、刻印。ゴージャス、雰囲気満点です。

シートピン部分にシートステイが集まるのが「集合ステイ」。

Supercorsa rosso ferrari seat tube
代表的なのはやはりチネリのスーパーコルサ。
写真はチネリ公式サイトから拝借。現行のスーパーコルサも伝統の集合ステイです。
昔、集合ステイを初めて見たときは、シートラグの横が空いているのが寂しく感じて、
あまりいいとは思わなかったんですが、じわっと好きになりました。
小さ目のフレームでも、後ろ三角が大きく見えてバランスが良い、という話もありますね。

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1980年代末頃? DOBBAT’S ドバッツ
(愛知県の工房、ドバッツ・ライノ・ハウス製です)
これはかなり個性的というか特殊。
形式としては「集合ステイ」と言えますが、
シートチューブの上端が、斜めに大きく切り落とされています。
しかも、とても滑らかに肉を盛ったフィレット溶接。
手間を惜しまず、オリジナリティにこだわる姿勢はすばらしいです。

いかがでしたか。
毎度、サンプルが少なく、ショボくて申し訳ありません。
世の中にはもっといろんなものがいーっぱいあるので、
特にビギナーの方は、あまりブランドにとらわれずに「自分の好きなカタチ」
というのを探してみると面白いと思います。

たくさん見ていると「これは手間をかけて丁寧に仕上げてあるなぁ」とか、
逆に「一見、凝った工作に見えるけど鋳物で合理化してるな」 とか
見えてしまって、楽しみ方も広がり??ます。

もし、私が個人的に乗るロードレーサーを新調するとしたら、
最初の方に出てきた、ごくノーマルなものを選ぶと思います。
ツーリング車なら巻きステーで、フタの部分をめっきにしたいなー。
とか、妄想ですけど。^^;

古くても新しくても、ハンドメイドの良さが出ている物が好きですね。
だからスチールフレームなんです。
「いい仕事してますね〜」とか言いながら芋焼酎をクッといきたいわけです。
ビールでもいいですけど。

では

フォーククラウンは見どころ満載

先日、フロントフォークのカーブについて微妙な話を書きました。
今回は、フォーククラウン(肩の部分)について細かい事をうだうだ書きます。
(あまり難しい事は抜きで)

クラウンは、カタチで分けると大雑把に言って
・スロープ型(なで肩)
・フラット型(いかり肩)
の2種類に分類されることが多いですね。
なお、ユニクラウン(MTBの様にブレードを曲げて直接溶接する物)は、ここでは除外します。

ともかく、手元にある物を見ていきましょう。

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1970年の MASI マージ
古典的で典型的なフラット型です。
シンプルで少し柔らい感じで仕上げられています。派手な装飾は無くても十分に美しいです。
よく見ると裏の補強板が長ーいです。全体にペイントしてあるのは珍しい。
「裏までちゃんと見てね」と声が聞こえます。
なお、この時代はブレーキ取付けのナットがまだ埋め込み式になっていませんね。

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70年代の CHESINI チェジーニ
緩いスロープになって、薄くもなっていますが、それでもクラシックな風情。
やはり微妙な丸みというか柔らかさがあるのは、その時代の雰囲気なのでしょうか。

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70年代末頃の COLNAGO コルナゴ
肩の上面にはロゴの刻印、後面には肉抜きがされて、装飾的になっていますが、
力強さも感じます。
裏の補強板にも控えめにクローバー。

他のブランドでも同じように刻印を入れるようになり、センスの見せ所になります。
時代によってクラウンのカタチや刻印のデザインも変化するので、
クラウンを見るだけで、製造された年代が推測できたりします。

個人的には、もっとエッジの効いたフラット型が好みです。

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85年製の NAMBEI ナンベイ
南アメリカ産ではなく、福岡市にある工房で、昔、私がオーダーしたもの。私物です。

一方、典型的なスロープ型と言えば、チネリ(のスーパーコルサ)タイプでしょ。

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概ねこういうやつですね。(残念ながらこの写真はチネリ製フレームじゃありません)
まさに、なで肩。
ブレードにクラウンを挿入する内ラグ式で、スッキリしてますね。

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チネリタイプはエッジを丸く落として、さらに細くヌメヌメにしたものもあります。
見た目インパクトあります。折れないよね?

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80年代半ばの TOMMASINI トマジーニ
ギヤと’T’の文字をモチーフにしたマークを凸に浮き彫りにしています。
二重クラウンを思わせるクラシカルな雰囲気もあって、個性的ですばらしい。
裏の補強板にも大きな肉抜きと墨入れ。気合い入っています。
現行のトマジーニもこれにしてくれたらいいのに、と思ってしまう。高くて買えないけど。

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80年代中頃の DE ROSA デローザ
これ以前は、デローザはカチッとしたフラット型のもの(上記のNAMBEIのに近い)
を長く使っていて、その印象が強かったので、
この「スロープ型でかぶせ式」のものに変わった時、賛否あったと思います。

以上、いかがでしたか。

サンプルが少なくて物足らないかもしれませんが
一応、基本的な物はお見せできたかなと思います。
ビンテージ自転車に限らず、スチールの新車を選ぶ際にも参考になるでしょうか。

では。

ヘッドチューブ見ながらモヤモヤしていた件

今回は完全にヨタ話です。

ヘッドチューブに、
そのブランドのエンブレムやトレードマークがよく描かれていますよね。
星形とかトランプをモチーフをにしたものは多くて、

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DE ROSA デローザはハート

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COLNAGO コルナゴはクローバー、などは有名です。
現在でも変わらないですからね。

ダイヤとスペードはなんだったかなー。ど忘れしました。
並べると戦隊ヒーロー物みたいになりそうです。ジテンジャー。

cioccEPGbg
CIOCC チョッチなんか、全部入りですから。
合体して巨大化する?
まぁ歴史あるブランドだから全然許せます。

一方、イタリアの伝統的な紋章を使うものもあります。

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昔のMASI マージ。
格調高い感じです。日本人にはよく分からないけれど。

cinelli_emblem
チネリも昔はよく似た紋章をエンブレムに使っていました。

アルファロメオ
自動車のアルファロメオのもよく似ています。

みんな蛇がいますね。
気になったのでちょっとググってみました。

ヴィスコンティ家

人を飲み込んでいる大蛇は、ミラノを支配したビスコンティ家の紋章で、

フィレンツェ紋章
草?みたいな赤い文様はフィレンツェの紋章だそうです。
ふーん。
組み合わせるんですね。

じゃ、 東京都の紋章と、三葉葵の御紋を組み合わせてみる?

東京都紋章 葵の紋1
しかし東京都の紋章のデザインは…地図記号かと思った。
都庁のサイトによれば
「明治22年12月の東京市会で決定。太陽を中心に6方に光が放たれているさまを表し、
日本の中心としての東京を象徴しています。」
だそうですが。

話を戻します。

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トマジーニのマークは、ギヤ板と’ T ‘をモチーフにしたもの。
自転車メーカーらしくていいですね。

ただこれ、どこかで似たようなものを見た事があるような…。
ずっとモヤモヤしていたんですけど、

やっとわかりました。

メカブトンタンペイ
ターイムボカーン

ようやくスッキリしましたよ。スカポンタンでした。

では

フロントフォークの曲がり方にはチトうるさいのよ

みなさんは自転車をぱっと見る時、まずどこに目が行きますか?
(この質問は「異性を見る時…」とほとんど同じです)

私は、フロントフォークです。
(やっぱ足ですね、みたいな ^^;)

なぜかと言うと、フロントフォークのカーブ(=シルエット)は、
自転車全体の「雰囲気」や「品位」を決める大きなポイントだと思うからです。

フロントフォークが曲がっているのは、もちろんダテではありません。
走行特性を決める上で非常に重要なファクタなのです。
ただ、今回は、技術的な説明は割愛して、
曲げ方の特徴や見た目の美しさ、についてお話をしたいと思います。

古典的なロードレーサーの場合、
フォークの曲げの大きさ(オフセット量)は、40〜50mmくらいが一般的で、
さほど大きな寸法ではないように思われるかもしれませんが、
これをどんな曲線で繋ぐかで自転車全体のイメージは案外大きく変わります。
作り手のセンスや主張が表されるところでもあります。

ただ、宇宙の真理として??美しいフロントフォークの絶対条件は
★なめらかな弧を描いていること★

F-Fork1
こんな感じです。
左から、青いトマジーニ赤いデローザ銀のコルナゴ
どれもブレード(フォークのチューブ)の後半からじわっとスムーズに曲がっていきます。
みな、すばらしい脚線美じゃ。

ここで、よーく見比べてください。
青いトマジーニは、ブレードのやや先っぽの方で、小さめの半径で弧を描いていませんか。
違いは微妙なのですが、写真で分かりますかね?
正式な名称があるのか分かりませんが、これを「先曲げ」と呼ぶ人もいます。

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こっちのフォークが特徴が分かりやすいかな? 空色のマージ
釣り竿でいうと「先調子」ですね。
乗り心地は柔らかい方向に、見た目はクラシックな雰囲気になります。
ランドナーなどツーリング車では一般に「先曲げ」が好まれますね。

逆に、ブレードのもっと上の方から、大きめの半径で曲げるのが流行った時期もあります。

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これまた写真が微妙ですが、わかりますか?
これが好きだという方も結構います。 ある年代にはノスタルジーもあるかも。

80年代以降になると、フォーククラウンの所ですでに角度がついていて、
ブレードは真っすぐな「ストレートフォーク」も増えてきます。

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この 写真は COLNAGOの公式サイト から拝借。現行のMASTER X-LIGHTです。
見た目のシャープな印象の通り、乗り味もダイレクトでクイックらしいです。
イマドキのカーボンバイクはストレートフォークが多いので、
比較的若い方には好まれるのかな。でも、クラシックな雰囲気はあまりありません。

あと、世の中には、そこそこ高級な自転車でも、
ブレードの途中で「カックン」と曲がっている、いわゆる「カックン曲げ」の物も
たまに見かけますね。あえて実例の写真は載せませんが。^^;
なにか加工しにくい素材の場合は仕方ないですけど、
そうでなければ、要するに「工数削減・コストダウン」です。
あれはガッカリしますね。安いママチャリと同じだと言われちゃう。

その他、フォークの姿を決める要素としては、ブレードの太さや形状の違いもあります。
エアロ的に平べったいのとか、主にピストで使われた丸フォークなどです。
写真が無くてすいません。

以上、脚線美、いやフロントフォークのカーブに注目してみました。

と、こんだけ読ませて、なんだその程度の違いか、と思われた方もいると思います。
まぁそうかもしれません。^^;
でも、道楽でやるんだから、微妙な違いや好き嫌いを楽しんでくださいよ。
みなさんは、どんなのがお好みですか?

ところで、フロントフォークにはもう一つ重要なポイントがあります。
そう、クラウン(肩)です。
これはまた別途、ということで。

では。

ブレーキはシングルピボットが好き

今回も、昔のパーツのデザイン寄りの話です。ブレーキ編です。

自転車のブレーキにはいろいろな形式のものがありますが、
ワイヤーを引っ張って、てこの原理で左右のブレーキアーチを絞り、
ブレーキシューを左右からリムに押し当てて止める、のが一般的ですね。
これを「キャリパーブレーキ」と呼びます。

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もう少し詳しく言うと、上の写真のようなイマドキの物は、
外観からは分かりにくいですが、左右のアーチの「てこ」の軸が独立しているので、
「デュアルピボット」とか「ダブルピボット」と呼びます。

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これは70年代のカンパニョーロ製のブレーキです。
特徴は、左右のアーチの軸が共通、真ん中に一本しかありませんね。
なのでこれを「シングルピボット」と呼びます。
おおむね80年代までは、ブレーキはシングルピボットが主流でした。

シングルピボットはデュアルピボットに比べて
「制動力が弱い」「片効きしやすい」などと言われますが、
きちんと整備すれば必要充分な制動力は得られますし、構造がシンプルなぶん軽量です。
(現在でもカンパのリアブレーキはシングルピボットですね)
そしてなんと言っても、シングルピボットは、
★中心に1本の軸がある造形が美しい!★

…という個人的な思い込みも含めて、
昔のシングルピボットブレーキをいくつかご紹介したいと思います。
といっても大したコレクションがあるわけじゃないです。

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くだんのカンパのブレーキ、これが性能もデザインも非常に完成度が高くて、
他のメーカーはこれをずっと追っかけてきた、というところがあるんではないでしょうか。

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サンツアー シュパーブプロ
シューやアジャスタのレンガ色がなかなかシックです。

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吉貝ニューグランコンペ400

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シマノ デュラエース 7400
長年愛用しています。

上の3つは80年代の国産です。
カタチ自体はどれもとてもキレイだと思いますが、まーよく似てる。
肯定的に捉えると、すっかり完成されたカタチなんでしょう。
もうちょっとがんばってほしかった気もしますけどね。

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これはさらに古めの73年発売の初代のデュラエース。
華奢で色白な美人さんですよ。和服が似合いそう。私好み。

これはちょっと珍品かも?

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80年代にほぼ無意味な「エアロ」が流行ったころの、エアログランコンペ300。

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ヘッドチューブやフロントフォークの影に隠れるほど小さく作れば、
前面投影面積が減って「エアロじゃろう?」という設計。
たしかにすごく小さい。
アジャスター付きのアームも上へ伸びていてヘッドチューブの影の中。
特に面白いのは、ブレーキシューまわり。

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なんと円弧移動でシューの位置を調整する。
さらにブレーキシュー自体もタマゴ型というか翼断面。
そのエアロ的効果はともかく、ここまで徹底的にやればたいしたもんです。
でもあまり売れなかったんだと思います。^^;

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これはオマケですが、70年代のかなり初期型のグランコンペ。
ワイヤーが右引きのところが「和風」です。
ボロですが、まだまだ現役で使えています。^^

海外の製品だと、例えば MODOLO(モドロ)とか面白いのですが、
残念ながら手元にはないので、またの機会があればご紹介したいと思います。

では。

40年前の初代デュラエース 1st.DURA-ACE

シマノのトップグレード DURA-ACE デュラエース。
第一世代の発売が1973年だというから、既に40年以上も続いているんですね、
今回はこの記念すべき第一歩、初代デュラエースについてご紹介したいと思います。
(ちなみに当時は「ジュラエース」と表記してました)

私が自転車趣味に本格的にはまってしまったのは77年ころで、まだ学生だったので、
デュラエースで組まれたような高級なロードレーサーは手の届かない憧れの対象でした。
ショップの常連さんや知合いがそういうのに乗ってくると羨ましかったですねぇ。
なので、初代デュラエースがほぼフルセットで組まれている CHESINI が入荷した時は、
懐かしくて、感慨にふけりましたね。
例えて言えば、昔憧れていた女子生徒に30何年かぶりに再会したような…とか?(笑)

で、その女子、じゃなくて初代デュラエースですが、
主にデザインに注目して、ひとつずつ見ていきたいと思います。
多分に私の主観と偏見も交えながら。^^;

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まずギヤクランク。
全体に華奢というか繊細な印象を受けます。
アームは薄くて、クランクも細め。さらにしっかり肉抜きもされています。
よくある5アームですが、カンパとは似ないようにがんばってる。
チェーンリングのパターンが少々うるさいという人もいたけども私は好きです。
表面仕上げもとても美しいです。

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次はブレーキ本体。
他のメーカーが、カンパのコピーみたいなものばかりを作る中、独自路線です。
やはり細身の華奢な印象ですね。
白っぽいアルマイト仕上げが美しく、高級感と精密さを醸し出しています。
実際、動かすと機械的精度はさすがシマノです。

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ブレーキレバー。
ブラケットがまだ太めですね。
このあと世代が進むと細くなっていきますが、STI化で突然バカデカクなります。
レバーに穴がたくさん開いているのは当時の流行。でも穴が小さく控えめなのが和風?

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リア変速機。
クレーン CRANE(鶴)という、それ以前からあったリヤ変速機をそのまま
デュラエースのコンポとして採用しています。
なので、”DURA-ACE”という刻印やプリントはありません。
このクレーンは、元々ロードレーサー専用設計ではなく、キャパシティーも大きめ、
ガタイも大きめでガッシリしています。見るからに質実剛健な作りです。
角張ってメカっぽくて、ギヤクランクやブレーキとは雰囲気が違うけどかっこいいです。

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フロント変速機。
これもメカメカしていいて、リヤのクレーンとはお似合い。
プレートに穴が開いているのは、デュラとしてはこれが最初で最後かも、ですね。

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シフトレバー。
これがまた一転、柔らかなラインの女性的な感じです。お肌つるるん。
こういうデザインの一貫性がビミョウなところが、いかにも「初代」なのかも。
ただし、取付け台座が当時のシマノのオリジナルタイプなので要注意。

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こういう形の台座です。カンパとは互換性がない。
そういう理由で件の CHESINI には、カンパのシフトレバーが付いています。

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ハブです。
形はいたって普通ですが、やはり美白なアルマイト仕上げがきれいです。
回転はきわめてスムーズで、グリスアップ時の調整もすぐ決まる精度の良さ。
高級な部品というのはこういう物か、と、当時感心したものです。

以上、初代デュラエースを見てきました。
いかがでしたか。
私と同じようにノスタルジーに浸る方もいれば、
最近のシマノしか知らない世代には新鮮な感じを持たれた方もおられるのでは。

こうなると、
サンツアーやシュパーブについても語りたくなりますねー。^^;
おじさんの昔話は迷惑かもしれませんが、そのネタはまた別の機会に。

では。

チューブラータイヤのススメ

2014年7月現在の当店の完成車は、全て、チューブラータイヤ仕様です。

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その理由は、
昔は、ロード(レーサー)といえば、チューブラーが基本、
いや、チューブラーでなければ胸張って「ロード」と言えなかったんですから。
時代考証からいって、やっぱチューブラーなんです。

なので、せっかくビンテージのロードレーサーに乗るのなら、
できれば、皆さんにもチューブラーを選んでほしいと思っています。

これは単なる懐古趣味でもなくて、
転がりの軽さや、しなやかな乗り心地など、チューブラー特有の良さがあるので、
それも楽しんでもらいたいなと思うんですよね。
(クリンチャーを否定しているのではありません。私も自家用車で使っていますよ)

ただ、チューブラーって、
面倒くさそう、難しそうというイメージがあるかもしれません。
でも、以外に、案ずるは産むがヤスシキヨシです。

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走る時はたいてい、こんなふうにスペアタイヤをたたんで、サドルに吊って携行します。
(このやり方には好みや流儀がいろいろあります)
もしパンクしても、サクッとタイヤを交換して走りはじめることができるので、
ある意味、クリンチャーより楽です。

パンク修理は、針と糸で縫うなど、自分でやるには確かに難易度が高めですが、
少しもったいないけれど、廉価なタイヤを使い捨てにするのもアリでしょう。
リムへ接着する手間も、今はチューブラーテープ(専用の両面テープ)のおかげで、
ずいぶんと楽になりました。
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最近、とうとう私もテープを使うようになりましたよ。^^

どうです? すこしはイケそうな気がしてきました?

チューブラーの扱い方については、
いずれこのブログでもいろいろ紹介していきたいと思います。

では。

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TOMADE24_3
カバー写真は、このウルトラ3兄弟です。

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Facebookは今回初めて使うので、まだ使い方や仕組みの理解が怪しいですが ^^;
がんばって運用していきます!

サイクルスポーツ 昭和52年増刊「自転車の整備と修理」

実家に帰省した際、とんでもなつかしい本を見つけました。

サイクルスポーツ 昭和52年11月号臨時増刊
「自転車の整備と修理」

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昭和52年って、1977年。37年前かー。
当時、私自身が購入したものです。すっかり存在を忘れていましたが。

37年前といやぁ、私もまだ十代の、容姿端麗で品行方正な少年、いや小僧でしたが、
生意気にも、すでにチューブラータイヤを履いたロードレーサーに乗っていました。
もちろん新車で買えるわけはなく、知り合いから安く譲ってもらった中古でしたが。
自転車のメンテナンスに目覚めたのもこの頃ですね。

さて、37年前のメンテナンス本というのはどんな感じでしょう。
(著作権の問題もあるのでさらっと紹介します)

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目次です。すでになにやらマニアックな匂いがします。

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しょっぱなの12〜13ページ目で、いきなりBBとヘッド!の組み付けが始まります。
そのまま、全てのパーツがバラバラの状態からランドナーを一台組み立てていく
という、あきらかに初心者を排除する展開です。^^;

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その次のページからは、当然のように、ホイール手組みの解説。

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35ページ目では、早くもぱぱっとワイヤー処理をして、完成!
メンテナンスというより、自転車整備士の実技試験みたい。

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フレームの再塗装も解説しています。

メインの「主要パーツの形式別組み立て調整法」という記事では、

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シマノ、サンツアー、カンパ、サンプレ、ユーレー、など
いろんなメーカーのなつかしいパーツがたくさん出てきて、分解/組立を解説しています。
これは見ていて楽しいですし、資料的な価値もありそうです。

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チューブラータイヤのパンク修理の説明には、6ページもさいて詳しく解説しています。
チューブラーのパンク修理は「針と糸で縫う」んですけど、
ヘタクソだと、修理箇所の太さが変わったり、縫い目がずれてクネったりするんです。
みんな苦労してました。なので、詳しく書いてあるんですね。

当時、学生の私にとってはチューブラータイヤは高価だったので、
いきつけのショップの店主さんや常連さんから、古タイヤをタダでもらって、
完全にダメになるまで何度も何度もパンク修理をしながら使っていましたよ。

掲載されている広告もなつかしいです。

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ユーラシア、ルマン、ニシキ、シルク。
どのメーカーも、ランドナーやスポルティーフのラインナップがしっかりしています。
自転車は「旅心」をくすぐる、そんな時代でした。

それにしても、こりゃなかなか「濃い」本です。
レストアをする人にはよい資料になりますし、
おじさんサイクリストにとっては酒のつまみにもなります。
八重洲出版さん、これ、電子化しませんか。

ちなみに、この本は販売はしません。個人的な蔵書ってことで。

では。