Campagnolo C-RECORD リヤディレーラー

今夜の肴はこれ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
カンパニョーロの C-RECORD リヤディレーラーです。

このコは C-RECORD デビューから88年ころまでの初期型です。
カンパらしい縦型メカで、パンタ前面のロゴが刻印。
「Cレコのリヤメカ」といえば真っ先に頭に浮かぶのはこのタイプですね。

全体的にぽっちゃりしていて、そして滑らか。軟らかそうにすら見えます。
なんとなく「なまめかしい」のが、たまらんのですね。^^
デルタブレーキもそうですが、自転車のパーツらしくないです。
もう、こういうデザインは二度と出て来ないだろうなぁ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
分解掃除は特に難しい所は無し。
ただ、プーリー軸がボールベアリングなので、細かい作業は老眼にはつらいです。

プーリーケージの表側はほぼフルカバータイプ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
エアロダイナミクスがどうとか、なんて屁理屈はとうに超越しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
裏から見たら「お釈迦様の耳たぶ」みたいでご利益ありそう。
でも、この耳たぶのくぼみに汚れがたまりやすいです。
シクロクロスには向かないですね。使う人はそうはいないでしょうが。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
パンタの背面も、写り込むような仕上げになっていて手抜き無し。

88年にはマイナーチェンジがあり、
ロゴが筆記体のプリントになり、贅肉が落ち、プーリケージも下半分が枠だけになります。
91年にはついに横型メカになり、カタチとしては、どんどん面白くない方向へ…
そうやって、ユニークさが失われていくのは寂しい気がします。
ついでに、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
これは88年頃のWレバー「SYNCRO」の右側(リヤ側)レバーです。
ペアの左側レバーが見つからなくて困っています。^^;

シマノにはずいぶん遅れをとりましたが、
カンパ初のインデックス機構付きのレバーです。6速対応です。

インデックス/フリクションのモード切換えの為に、
独立した小レバーが付いているのが大きな特徴ですね。
上の写真のように親子レバーが重なっている状態でインデックスモード。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
これでフリクションモード。

走行中に意図せずモードを切り替えてしまうのを防ぐためか、
親レバー側にイモネジが2本仕込んであって、どちらかのモードに固定することも出来ます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
部品点数の多さは天下一品。^^;

なんでわざわざ親子レバーにしたのか理由はよくわかりませんが、
見た目にユニークなので、私は結構好きですよ。
でも、次のモデル「SYNCRO Ⅱ」からは、小レバーは無くなってしまいます。
これまた残念。

では

Campagnolo C-RECORD DELTAブレーキ

今夜の肴はこれ、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
カンパニョーロの C-RECORD デルタブレーキです。

今見ても、すごいというか、この先も絶対あり得ないだろうカタチですね。
知らない人が見たら自転車のブレーキだとは思わないでしょう。
とにかくデザインで「あっ」と言わせたい、というカンパの執念を感じます。
はい、あっと言いましたよ、私は。
デザイナーのドヤ顔が見えるようです。

日本では、そのカタチから「イカブレーキ」と呼ぶ人も多いですが、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
この前面のフタが外れる様子は「カニ」のようでもあります。
でも、私には「おしり」にも見えます。もちろん女性の、ですね。^^;

さて、
デルタブレーキを含む C-RECORD は1985年頃のデビューです。
初期型のデルタは、ブレーキとしての性能に関しては評判が芳しくなかったのですが、
私の認識では二度ほどマイナーチェンジは行われていて、
この写真の物は、性能的な改善も完成された91年以降の最終型です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
初期型とは内部の機構がかなり違うので、実質的にフルチェンジと言って良いでしょう。
このカタチのまま性能を改善するのには設計者も苦労したろうなぁ、と想像できます。

それにしても、
こんなの、よくもまぁ量産する気になったもんだ、と関心するというか何というか。
コスト度外視の設計だと思います。どうりで、値段高かったもんね(今でもね)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
イカの胴体には汚れもたまりやすいので要注意(メンテナンス前の写真です)。
黒いのはイカスミじゃないです。

ゲソ(ブレーキアーチ)がとても小さいですね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ブレーキシューの上下のスライド量もわずかしかありません。
太めのタイヤを履くと「股間」を擦って痛そうです。^^;

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フレームへ取付けるボルトがスライドして、高さ調整できるのもデルタならでは。

そんなこんなをクローズドボディに詰め込んだために、結構ボリュームがあります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
よくも悪くも「存在感」はハンパない。(お隣は比較用のシュパーブプロ)
なので、サイズの小さいフレームに取付ける場合は、
見た目のバランスが悪くなったり、ケーブルの引回しが窮屈になる事もあります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ちなみに、シートチューブが51cm(C-T)のフレームに付けるとこんな感じ。
どうですかね?

それしても、こんなユニークなブレーキは、もう二度と世に出ないでしょう。
世界ナントカ遺産に指定したいくらいです。

では

Campagnolo C-RECORD Cレコードってさぁ

今回はカンパニョーロの「C-RECORD」についてヨタ話を。

C-RECORD(Corsa RECORD)は、
1985年頃にデザインを一新した「RECORD」グループセットのことですね。
(発表は84年、実質販売は85年だったかなーと記憶してます、私は)

それまで、カンパは非常に保守的で、Nuovo RECORD や Super RECORD を、
基本設計をほとんど変えずに延々と作り続けてきていましたから、
このフルモデルチェンジは、しかもあのデザインで、当時かなり衝撃的でした。

なかでも、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
デルタブレーキと、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
リヤディレーラーと、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ギヤクランク
のデザインは特に美しくてユニークで、印象深いです。
さすがイタリアというか、さすがカンパというか、やられたと思いましたね。
もちろん好き嫌いや賛否両論ありましたけど。

ということで、
この後、何度かに分けて C-RECORD を肴にしたいと思っています。

—-
ところで、ご存知の方は多いと思いますが、
「C-RECORD」ってのは、商品名ではなくて、
あくまでも俗称というか、ニックネームみたいなもんなんですよね。
正式なグループセット名は、単に「RECORD」です。

初期のカタログに「ロードレース用のRECORDグループ」という意味で
“Gruppo RECORD Corsa” (英語版カタログでも”RECORD corsa group”)
と記載されたことから、
“Corsa”の C で C-RECORD と呼ばれるようになった、
らしいのですが、もはや検証はできません。

で、現行商品だった期間を、便宜上「Cレコ期」なんて呼んでますが、
じゃ「Cレコ期の終わりは何時か?」についてははっきりせず、諸説あるようです。
デビュー時のように、ほぼ全てのパーツが一斉に変わるようなことがなくなり、
じわじわと入れ替わっていったので、終わりがはっきりしないんですね。
ただ、95年のカタログでは、象徴的だったクランクのデザインも変わってしまい、
85年デザインの物はほぼ全滅していますので、
「最長でも、1994年まで」
という言い方をすれば、異論は少なかろうと思いますがどうでしょう。
ま、こういうのは、あえてモヤッとしているほうが面白いかも。^^;

では

★新着情報 ROSSIN 1980s 真っ赤なロッシン!

真っ赤な ROSSIN ロッシンです!!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
このフレームは1980年代後半の、
名工マリオ・ロッシン氏自身が関わっていた頃の物です。
鮮やかなイタリアンレッド。そしてROSSINの代表的なペイントパターンです。
チューブは名品コロンバスSLX。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ガッチリしたROSSINオリジナルのBBシェルは見るからに剛性が高そう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
カンパ製のロードエンド。
レーシーな雰囲気におもわずニンマリします。^^

ただし….

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
塗装のタッチアップがたくさんあります。特にトップチューブに。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
チェーンステーのメッキにも傷みが広がっていました。
本来、ここに”ROSSIN”のデカールがあった痕跡も。

しかしながら、
ヘコミや歪みは見られず、エンドの平行性も芯も出ています。BBシェル内部もきれいでした。
これは乗らなきゃモッタイナイ!
フレームサイズはシートチューブ、トップチューブ共に約560mm(C-C)です。

で、パーツは

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
以前ブログでご紹介した「Cレコ期の初代コーラス」です。
変速機編
ブレーキ編
クランク他編
時代的にも、雰囲気的にも、ぴったり!
シフトレバーだけはなぜかカンパのビクトリーになります。^^;

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ステムは、3ttt Status。
バーも 3ttt GRAND PRIX 400mm(C-C)。プリントのロゴは擦れてしまっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
サドルは、Sella Italia MAX。マンガンレールで軽量です。
表皮は革製。革専用のクリーナーとコンディショナーでお手入れしました。
尻アタリのよいサドルです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
リムは、FIR EU90 700cクリンチャーです。イタリア製。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フリーは、サンツアー ニューウイナー, 6s, 14〜21T

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
タイヤは、Panaracer RACE L Evo2 新品。軽量タイヤです。
チェーンは、シマノHG71。新品です。
ワイヤー類も全て新品です。

価格は…
全体的にキズや使用感がありますので、抑えた価格にする予定です。

すでにほとんど組み上がっていますので、まもなく販売開始です。
お楽しみに!

では

Campagnolo Cレコ期の初代コーラス(3)

引き続きネタは、カンパニョーロ Campagnolo のいわゆる「Cレコ期」の
初代コーラス Chorus。 クランクその他についてです。

まず、ギヤクランク。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
上位モデルの Record ほどデザインにインパクトはないものの、
「ぎりぎりまで贅肉をそぎ落としちゃる!」
という意図がはっきりしています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
この角度から見るとよく分かりますね。なんだか薄いです。
クランク軸の部分がフジツボのように盛り上がっている…のではなくて、
その周囲の贅肉をそぎ落としているから、そうなるんですね。
アームも従来の物にくらべ、薄くなっています。
写真よりも実物のほうがカッコイイと思いました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
BBのベアリングは、この頃はまだカップ&コーンです。

お次ぎはヘッドパーツ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
Cレコ期の物は、結構ボリューム感ありますよね。あり過ぎ。
ナットが、六角じゃなくて、四角になっているのも特徴的。
カンパは「四角のほうがなめにくい」とのたまったようですが、ほんとかぁ?
1997年ころから、また普通の六角にもどるんですけどね。

ハブは、特に特徴がないです。^^;

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
まだボスフリータイプ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ベアリングもカップ&コーンです。

で、これが最後になります。シートポスト。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
いわゆるエアロタイプです。
ロゴマークが、プリントじゃなくて刻印なのはグッドです。

上半分の扁平した部分ではフレームにクランプできないので、
長さが180mmのものと、130mmの2モデルが販売されていました。
このコは180mmのモデルですが、ちょっとイヤなのは、
以前の持ち主さんが下の方を2〜3cmカットしています。
しっかりクランプさせるには、シートチューブに6cmくらい挿入したいので、
残り1cmくらいしか上下の調整ができません。
んもー。
そんなちょこっとカットしたって、重量なんて大して変わんないのに。

—-
3回に渡ってご紹介してきました「初代コーラス」
日本国内では、あまり見かけないように思います。
当時の Record があのデザインなので、ちょっと地味な存在だったかもしれません。

さて、このコーラスのセット、そこそこキズや使用感はあるけれども、
ちゃんとメンテナンスしたし、せっかくここまで揃っているんだから、
よさげなフレームにまとめて組み付けて、販売したいと思っています。

では

Campagnolo Cレコ期の初代コーラス(2)

前回に引き続きネタは、カンパニョーロのいわゆる「Cレコ期」の
初代コーラス Chorus のブレーキです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
前回のリヤメカと同じく、1980年代の末の物です。
私の好物、シングルピボット・サイドプルキャリパーです。^^

同時期の「デルタブレーキ」のおかげで、
このコーラスのブレーキは、少々印象が薄いですが、
実は、カンパはここでもちょっと凝ったことをしています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
左側のアームにはスリットがあって、そこに右側のアームが貫通していて、
蝶番のようになっています。
従来の構造(オフセットしたアームを前後に重ねて締め合わせた)よりも、
たしかに剛性は高そうです。
カンパではこれを「MONO-PLANER SYSTEM」モノプラナーと呼んでいます。

カタチも結構、きれいだと思います。
横から見ると、少々ポテっとしていますが、前から見るとシャープさもあって。
鳥が羽ばたいているようにも見えなくはない。
あるいはスターウォーズ的かも。
なにより、旧来のデザインを一新しようとがんばっている心意気が伝わります。^^

ホイールを脱着する際に使うクイックレリーズがありませんが、
それは、ブレーキレバー側で実装されます。

で、そのブレーキレバー。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
以前の物に比べると、ブラケット部は太くなっていますが、
その分、しっかり握れる感じです。
(それでも個人的には昔の細いのが好きだけど)

ブレーキワイヤーの処理は、昔ながらの上から出す方式と、
エアロと呼ばれるハンドルバーに沿わせる方式と、どちらでも可能になっています。
ブラケットが太くなった理由はこれかな。

さて、クイックレリーズの機構についてですが、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
このポッチ(ペン先の)を押し込んだり戻したりすることで、
レバーの開口角度が変わります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
写真だと差が微妙ですが、わかりますか?
開き具合を微調整することはできませんが、シンプルな機構で機能を実現しています。

なお、手元シフトのエルゴレバーになるのはもう少し先、1992年ころから。
カンパがシマノを追っかける時代です。

では

麗しの初代サイクロン・リヤディレーラー 後編

前回の続きです。
初代サイクロンRDの前期型と後期型で、なにが違うの?ってとこからです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
左が前期型です。
前期型でもパンタグラフおもて面に黒い墨が入っているものがあるので、
そこはさておくと、
ぱっと見て分かる違いは、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フレーム側ボルト部分の「首」の形状や長さが違いますね。

後期型の方が「細く」なっている…かと思いきや、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
実は「厚み」がガッツリ増えてます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
当然ボルトもこんなに長くなって、重量増の一因になっています。
それでも必要な変更だったんでしょう。
前期型は強度が不足するケースがあったのかな。

後期型の「首」は目視でも分かるくらい「長く」なっていて、
エンド側のボルト中心からプーリー側のボルト中心までの距離は、
正確な測定はしていませんが、前期型より6mmくらい遠くなっています。
これは、より大きなスプロケットを使えるようにしたってことかな。

パンタグラフの各支点間の距離や、プーリーの軸間の距離には変更は無いようです。
プーリー側のテンションスプリングも、径や巻き数は同じ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
左側が前期型。
よく比べると鋼材の断面形状とか微妙に違うのですが、互換性はありそうです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
パンタグラフの裏側の刻印、前期型です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
こちらが後期型。
ウワサでは、”JAPAN” の横の “XC” 等の部分で、製造時期が分かるらしいです。
詳細をご存知の方いらっしゃいましたらご教授を。

—-
サンツアーのリヤ変速機と言えば、語らないわけにはいかない
「スラントパンタグラフ」。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
パンタグラフが傾いて(slant)、斜め方向に動くようになってます。
これによって、スプロケットの歯先と変速機のプーリーとの間隔が、
プーリーがどの位置でもあまり変わらない(完全に一定じゃないけど)からキレがいい、
という理屈です。
たったこれだけと言えばそうだけど、重要な発明です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
80年頃のデュラエースEXです。
まだスラントパンタじゃないですね。
サンツアー(マエダ工業)の特許が切れるのを、シマノもカンパもじっと待っていたようです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
シマノは84年の7400デュラエースで、ようやくスラントパンタを採用します。
ここでデザインもいっきにアカヌケし、カキカキのインデックスシステムも搭載し、
名機7400が誕生するわけです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
麗しの初代サイクロンは、
やがてトップグレードの座をシュパーブ(写真左側)へ譲り、
サイクロンMkⅡ という後継機も出るのですが、
私は、やっぱり初代サイクロンが好き。^^

では

麗しの初代サイクロン・リヤディレーラー 前編

さて、今夜の肴は、タイトルの通りこれです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
国産のリヤディレーラーの中では、現在でも
「最も美しい」
と勝手に思っている、70年代のサンツアー初代サイクロンです。

どこがそんなにいいの? って聞かれてもなかなか困るんですが。
ヒヨコの時に刷り込まれたってことはあるかな。^^

同じ時代のデュラエース(クレーン)が

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ガタイがゴツくて、男っぽい感じだった(これもすごくいいんだけど)のに対し、
サイクロンはなめらかで、女性的、上品な感じすらします…
って、思春期の私は完全にやられたわけです。たぶん。
軽量だし、変速のキレも良かったですし。
料理用はかりでの実測値は、前期型クレーンが226g、サイクロンが185gでした。

シフトワイヤーをパンタグラフの中に通す機構が、実にスマートです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ここから入れて

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ここに出す。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
「ストレートワイヤー・メカニズム」と言ったかな?
そんないかめしい名前をはいらないです。とにかく美しいので。^^
かわりに作業性はよくないです。ワイヤーのアジャスタもないし。
でも、美人さんのためなら何でもしますよ、ボク。^^;

ただ、ワイヤーを留める袋ナットはいかにも汎用品。
他になかったの?
と言いたくなりますが、完璧じゃないから魅力的なのかも?

久しぶりにオーバーホールしました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
シングルテンション(エンド側にスプリングが無い)なので、部品点数も少なくて、
難しいところも特にありません。整備性はよいです。

—-
さて、サイクロン好きの方ならご存知と思いますが、
初代サイクロンRDには、さらに前期型と後期型があります。
ここまでに載せた写真のものは後期型で、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
こっちが前期型。
(キズだらけなのは、私がさんざん使ってたやつだから。^^)

前期と後期でなにが違うかといえば…
えー、話が長くなりそうなので、続きは次回へ。すみません。^^

では。

フレームポンプは、こーでねーと

今回のよもやま話は、
最近あまり見かけなくなってしまった「フレームポンプ」についてです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
若いもんに見せると
「長いですねー、バッグに入らない」とか言うので、^^;
簡単にご紹介します。

個人的には「ポンプ」より「インフレーター inflator」と呼ぶことが多かったんですが、
ここでは分かりやすい「ポンプ」と書くことにします。

ロードレーサーで使うフレームポンプは、上の写真の3本ような、
ホルダーなどを使わずにフレームに直接取付けるタイプが一般的です。
フレームに直接取付けるために
上下のはしっこは、フレームにフィットする形状になっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
握る部分の内側に仕込まれたバネの反発力でフレームに固定する仕組みなので、
ポンプの長さはある程度フレームサイズに合わせる必要があります。
なので、メーカーからは数センチ刻みでサイズ違いが出されています..いました。
短めのを選んでしまうとユルくて、走行中に落として泣きます。^^;

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ロードレーサーの場合、シートチューブに沿って取付けることが多いのですが、
シートチューブにもボトルを付けられるフレームでは、

DSC_0208
ヘッドチューブの内側に「小さいツノ」が生えてることがあります。
これはポンプをトップチューブ下に水平に取付けるためのペグです。

フレームポンプは長くて(容量が大きくて)構造も簡単なので、
最近主流のコンパクトな物よりも、効率よくエアを入れられるというメリットがありますが、
それ以外にも魅力的なのは、
自転車の外装の一部としてコーディネートできる点だと思います。
かつてはポンプ自体のカラーバリエーションもそれなりに豊富でしたから、
その気になれば、結構、楽しめたんですよ。

フレームとポンプの色を合わせるのが定石でした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
これくらい色が合ってると、ちょっとうれしい。
やっぱ、コーディネートは、こーでねーと。^^

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
シリカ SILICA 製のポンプは、少々いいお値段でしたが、カラーが豊富でした。
自分の自転車に合うものが入手できなければ、
リッチな方は、フレームをオーダーメードする際にポンプも同色に塗ったり、
そうでない方は自分で塗ったり。^^
もちろん、フレーム色とは違う色を組み合わせるのもセンス次第。

現在、新品で購入出来るフレームポンプは Zefal くらいでしょうか?
でも色は黒/銀の一種類だけ?みたいです。残念。
オークションなどで古いものを探してらっしゃる方もいますね。
色とサイズの合うもの、となるとなかなか苦労も多かろうと思います。
未使用品でもゴムや革製のパッキン類は劣化もするし。

それでもね、
フレームポンプはイマドキのカーボン車などには付けられませんからね、
つまり、鉄フレーム族のささやかな特権ですよ、特権。^^

 

—-
蛇足ですが、
プッシュオン・アダプター式のポンプで、タイヤに空気を入れる時の注意点を。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
まず、バルブが一番高い位置にくる(バルブが真下を向く)ようにします。
ポンプを真っすぐ差し込んだら(バルブの抜き差しも慎重に)、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ポンプの口金部分を、タイヤに親指をかけてガッチリ握って固定して、
バルブに余計な力がかからないように気をつけながら、ポンピングします。
そうしないとバルブが痛んだり壊れたりしやすいです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
こんなとこ握ってポンピングしちゃだめです。

これは昔のフレームポンプに限らず、最近のコンパクトなポンプでも同じです。
「そんなこと知ってる、常識じゃん」という方はゴメンナサイ。
でも、以外と知らない方も多いみたいなので、老婆心ながら書いてみました。

では

シマノ初のクリップレスペダル PD-7401 整備編

前回ご紹介した PD-7401 をメンテナンスします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
現状、スピンドルはスムーズに回るし、ビンディングもちゃんと機能しているので、
特にメンテナンスが必要な理由は無いのですが、まぁ、紹介した勢いですね。^^;

まず、ビンディング部です。
とにかくフタを開ける以外、切り口はないようです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
でも、ネジ穴が「星形」です。
普通のプラスやマイナスのドライバーでは開けられません。
これは「素人さんは開けないでね」とメーカーが言っているんですね。
でも、開けますよ。^^

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ちょうど良いドライバーを持っていました。
パソコンのハードディスクをバラすときに使ってたやつが役に立ちます。^^

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
おや、かなりシンプルな機構。
真ん中の金具を留めているピン状の物は、クランプ強度調整ボルトの先っぽです。
これをペダル底面から締めると、バネを引っ張るだけなのね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
そのクランプ強度調整ボルトをもっと緩めればバラせそうですね。
っと、思ったのですが、
ここをバラすと、バネが強くて元に戻す時メンドウな事になりそうな予感が。^^;
なので、
このまま、クリーニングと注油をすることにします。はは。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フタをすればほぼ密閉状態なので、そんなに神経質になることはないでしょう。

次はベアリング部です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
クランク側にロックリングがあるのは、現代のSPD系ペダルと基本的に同じですね。
でも、このロックリングを回すのには TL-PD30 という専用スパナが必要です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
この専用スパナを使うのは、このPD-7401のほかは、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
この、ひとつ前の DURA-ACE PD-7400 の2モデルだけだと思います。
パーツ自体よりも、工具のほうが希少で入手が難しいのは困ったもんです。

どっちに回すと緩むのか一瞬迷いましたが、正ネジでした。左右とも。

シャフトを抜くと

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ふーん。「玉」と「コロ」の合わせワザですね。たまころたまころ。
玉は、クランク側が14個、シャフト先端側が8個。

洗浄しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
玉もコロもカップもシャフトもきれいで問題無し。
外観がキズだらけなのに比べると意外なほど内部は健全です。
そこはさすがデュラエースグレードかな。

さてグリスアップしながら元通り組み立てます。

シャフトの先端部は玉押しになっていて、
ペダルボディのシャフト穴の一番奥がカップになっています。
えー? どうやってアセンブリするの?ってしばし悩んで、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
まず玉をシャフト穴の奥へ並べました。写真がちょっと分かりにくいですが。
シャフト穴は50mmくらいの深さがあるので、
その奥に8個きちんと並べるにはコツがいります。
説明が難しいですが、私は「綿棒」を使うワザを編み出しました。^^

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
クランク側のボールを入れて、コロ軸受けは挿すだけ。
次に開けるのがいつか分からないので、グリスは多めです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
シャフトを一番奥まで収めて、ロックリングを締めます。
まだグリスの重みが残っているけどガタなくスムーズに回ります。おりこうさん!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
出来上がり。

せっかくメンテナンスしたので、どなたかに使ってほしいですね。
でも、いまあえてこのペダル(とDELTAクリート)を使おうという人がいるのか?^^;

では

シマノ初のクリップレスペダル PD-7401

今回のネタは古いペダルです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
シマノ初のクリップレスペダル(ビンディングペダル) PD-7401です。

発売は87年ころかな?
かの、ランス・アームストロングがこれを長期間にわたり愛用した、
ということなので、性能や信頼性は当時トップクラスの物でしょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
“LOOK PATENT”,”PRODUCT OF FRANCE” と刻印があります。
LOOK社の特許を使ったフランス製品、とくりゃ、
おそらくLOOK社に生産委託してたんでしょう。
型番7401と言えば明らかにデュラエースグレードですが、
そんな事情からか「DURA-ACE」の名前がどこにも付いていません。
シマノはあまり積極的に販売しなかったのかも?

もすこし詳しく見てみましょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
右に並べてあるのは PD-7810、SPD-SL です。
比べると、PD-7401 は厚みがあってゴツい感じがしますが、
四半世紀以上も前の物としては、かなりスッキリしたデザインじゃないですかね。
ビンディングのバネなんかも露出していなくて。

いずれ、メンテナンスがてらバラして中身を見てみようと思います。

適合するクリートは、LOOK社の DELTA クリート。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
シマノ独自規格の SPD がまだ開発される前の製品で、
当然、SPDシリーズとは何れも互換性はありません。LOOKの KEO とも互換性が無い。
現在 DELTAクリートを置いている店は少ないと思いますが、通販やオークションで入手は可能です。

DELTA と SPD-SL のクリートと重ねてみると、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
見ての通り、サイズはほとんど同じ、勘合部の形状も似ています。
互換性に「下心」があったんじゃないか?

シマノ600グレードの物もあります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
型番は6401ですが、やはり「Shimano600」の名前はついてません。
ぱっと見、PD-7401 と色以外ほとんど同じです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
あ、シャフトやロックリングの形状が違いますね。
PD-7401 の方は、ロックリングを回すのに TL-PD30 という専用工具が必要です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
PD-7401 を自家用車に取付けて、使ってみました、
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
クリートは三本締め。シマノ製の靴にフィットしました。
これで歩くと、クリート底面が直接すり減りますね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ペダル底面にあるネジを時計まわりに回すとクランプ力が強まります。
ユルユルからガッチガチやぞ、まで調整幅がありました。
私の好みの固さに調整して、へっぽこなりに踏んだり引いたりしてみましたが、
なーんだ、案外フツーに使えるじゃん。という感じですね。
靴をはめたり外したりする時は、もう少しパキンとメリハリが欲しい気もしますが、
まぁ好みの範疇かもしれません。
ランス・アームストロングの気持ちが分かりましたよ!って事にします。^^;

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
600グレードのPD-6401 の方も試しましたが、
少し乗ったくらいでは PD-7401 との違いは分かりませんでした。

その他、同じ時代の、この MAVIC のペダルも「親戚筋」です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
同じく “LOOK PATENT” 。
ビンディング機構の設計がシマノとは違います。シマノの方が薄くてスマートですね。

んー、LOOKさん、特許やOEMでいい商売されてますなぁ。
私もなにか考案して出願しようかな。洗濯ネットとかダイエットスリッパとか。^^

では

庶民派センタープルブレーキ MAFAC “RACER”

フランス製のビンテージパーツにおいて、
ブレーキと言えば、なんと言ってもマファック MAFAC ですよね。
ランドナーやスポルティーフのフレームをオーダーするなら
MAFACのブレーキ台座を直付け(じかづけ)するのが旧習?でした。
いまでもお好きな方は多いですね。

で、今回のネタはこれ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
センタープルブレーキ MAFAC “RACER” です。
これは70年代中頃の製造じゃないかなと思います。

様々な車種で幅広く使われていた、ロングセラーでベストセラーの中級モデルですが、
その名前が示す通り、ロードレーサーでも使われていました。
昔は「制動力なら MAFACのセンタープルが一番」という評判もあって、
ロードレーサーをカンパやシマノで組んでも、
ブレーキだけは MAFACのセンタープルにするという方も結構いましたよ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
入手後、そのまま放置状態だったので、キレイにしてあげました。
バラして、洗って、サビを落として、少し磨いて、組み立てて。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
でも残念ながら、

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
シューを固定する部分のアルミ製ワッシャーが1ヶ割れていました(泣)。
フランス製だけに、パリッ…。ごめんなさい。
左右のアーチを繋ぐワイヤーも痛んでいて、寿命です。
スペアパーツが手元に無いので、結局、また放置かな。^^;

デザインについては、いまさら私ごときが何か言うこともありません。
ビンテージパーツのアイコンの一つでしょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
モデル名に “RACER” とダブルコーテーションが付いているのは、なぜ?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
現代の基準からすると「この薄っぺらなアーチで大丈夫なの?」ですけどね
そこがいいのよ。^^
当時のフランス製らしい品質感(^^;)も味わい深く。

んで、フランスのパーツは、やっぱりフランスの自転車に似合います。

DSC_0018
DSC_0022
当店のなごみ系アイドル「ピンクのメルシエ MERCIER」に付いているのも同じ “RACER”。
はまりますな〜。日本車やイタリア車だとこの雰囲気にはならないです。

MAFACのセンタープルには、Competition や 2000 といった上位モデルがあり、
当然、そっちの方が高級感のある仕上げなんですけど、
私はこの”RACER”の庶民的な?素朴な感じが、なんだかとても好きです。
カンパニョーロの GRAN SPORT が結構「いい味」出しているのと通じますかね。
シンパシーを感じます。
私の経済的事情がそう感じさせるのかも…。^^;

では