Shimano DURA-ACE 7402 74デュラ

ひさしぶりにシマノ製パーツをメンテナンス。


90年代始め頃のデュラエース 7402番です。
分解した小パーツひとつひとつにも品質の高さが感じられます。


これまだ現役で使ってますよ、って方も結構いらっしゃいますよね。
名機だもの。

型番で 74xx のデュラエースは、
ひとまとめに「74デュラ」などと呼ばれることがありますが、
1984年の6速SIS(Shimano Index System)の7400番から
7401, 7402, 7403, 7410 と実に12年もの長期におよびます。
進化の早い時代でもあり、互換性にも注意が必要なので、
あまり「いっしょくた」にするのもどうかと思うんですけどね。

で、初めてリア8速になったのが 7402番 です。


この頃には最初のSTIレバーも登場するのですが、
当時まだ STI というものになじめなくて(値段も高かったし)
写真のダブルレバーを選択する人も少なくなかったと思います。


7402 のリヤハブは8速のカセット式です。
オーバーロックナット寸法は130mmに。
一見イマ風ですが、スプロケットはトップギヤねじ込み式で、
現行のシマノ製品とは互換性はありません。


7402 のブレーキは デュラエース最後のシングルピボット式
う〜ん、やっぱりシングルピボットが好き ^^
見た目は初期型の7400からほとんど変わりませんが、
引きを軽くするために SLR(Shimano Linear Response)を採用。
ブレーキ本体のバネを弱めると共に


ブレーキレバー側にもスプリングを追加するようになりました。
ワイヤーを上から出せないのが個人的にはちょっと残念。

なお、ブラケットフード(パッド)が少し白っぽくなっているのは


ゴムのベタつき発生を抑えるためにベビーパウダーを叩いているから。
ゴムパーツはスペアの入手が難しいので大切にしないと。

74デュラと同じ時期、カンパでは C-RECORD ですね。
シマノの SIS に対してカンパは SYNCRO、STI に対して ERGO と、
機能ではシマノの後をカンパが追う格好でしたが、
デザインでは C-RECORD(特にクランクやデルタブレーキ)は、
ちょっと他とは違う空を飛んでいた感じで。
お値段も相当高かったので、
お空を見上げても、私の視力ではよく見えませんでしたよ ^^;

では

Campagnolo VALENTINO ヴァレンチノ

先日完成した赤い LEGNANO で使われている


カンパニョーロ・ヴァレンチノ VALENTINO をもう少し詳しくご紹介します。

VALENTINO は、
カンパニョーロの中ではいわゆるエントリーモデルで、
GRAN SPORT のもういっこ下というポジション。
また、シフトレバーと前後変速機のみのセット、というのも特徴です。
今回の LEGNANO のように、
大手メーカー製のミドルレンジ以下のモデルに採用されることが多かったようです。


シフトレバーはバンド付け専用。


なので、レバーは RECORD とは互換性がありません。


大きなローレットがチャームポイントですね ^^

リアディレーラーは60年代中頃の Valentino GS から始まり、
SUPER, EXTRA など何度もマイナーチェンジをしていますが





これは扇型のプーリーケージが特徴の Nuovo VALENTINO。
77年から83年頃まで作られたモデルです。

フロントディレーラーは、残念ながら実物が手元にありません。


80年代初めまでマッチ箱ボディのスライド式でしたが、


最終的にはNuovo VALENTINO でパンタグラフ式になります。

VALENTINO は
RECORD などと比べるとやはりチープな作りですが、
いまや、そこがかえって味わい深いところでもあります。
また80年代中頃までこのレトロな姿のまま作り続けられた
というもの、なんともスゴイですね。
さすがカンパニョーロだ、というのは皮肉ではありませんよ ^^

リアルタイムでも日本にはあまり入ってきていないようで、
ある意味、玄人好みのパーツと言えるかもしれません。

では

庶民派 LEGNANO パーツをオーバーホール

赤い LEGNANO のパーツのオーバーホールを進めています。


どばっとまとめて分解洗浄。
すっきりさっぱり、いやぁイイ湯でした。





おそらく多くは新車当時からのオリジナルパーツだと思いますが、
サビはほとんどなく、フレーム同様になかなか良い状態です。
おもわずニヤけます。

今日はここまで。途中経過ってことで ^^

 

Campagnolo VENTO 16-HPW エアロホイール

90年代中頃のカンパの完組エアロホイール



VENTO 16-HPW です。
総アルミでぴかぴかのエアロリムが、なかなかの存在感ですね。
専用ハブに16本扁平スポークも当時としてはかなり攻めてます。
スプロケットは8速です。

これはお客様からメンテナンスを依頼されて預かったもので、
実は後輪ハブに大きなガタが出ています。

玉押しが緩んでいる、というような単純な原因ではないので、
バラしてみたところ…
ドライブ側(スプロケット側)のベアリングのボールが
なんと3個も足りていませんでした。
ありゃりゃ ^^;

2個はハブボディ内のグリス溜まりの溝に潜り込んでいるのを発見。
もう1個はどこにも見当たらず。
それ以外にも、リアハブのアセンブリ(組立)に間違いがあり、


ロックナット幅が130mmより1.4mmほどオーバーしていました。
そのオーバー分はすべてドライブ側で、
つまりホイールのセンターもそれだけ左へズレている状態。

現在のオーナーさんは、これを中古で購入されたのですが、
「なんかおかしいぞ」ということで当店に持ち込んでこられました。
以前の持ち主さんがやってくれちゃったんですね。
まぁよくある事です。

で、もちろん分解洗浄。ついでにフロントのハブも。


リアのシャフトなどに通常ではつかないようなスレが生じていますが、
幸い、致命傷には至っていませんでした。



足りない物は追加して、正常なアセンブリをすると、
ガタなくスムーズな状態に復活しました。
これなら全然大丈夫です。
よかった、よかった。


オーバーロックナット幅も正常値に。

さてスプロケットを付けて、ディレーラーの微調整して出来上がり!
かと思いきや、
チェーンをトップギヤへ入れると、


チェーンとエンド(ディレーラーハンガー内側)が少し接触するようになっていました。
むむむ、これまでは「怪我の功名」で動いていたか…
元々クリアランスが厳しい箇所なので、たまにある事なんですけど。

エンドが曲がっているわけではなかったので、


ハブのスペーサーの厚みをを若干増やして接触しないようにしました。

よし、これでビュンビュン乗れますよ。

では

マイヨール製ボスフリーのオーバーホール

今回はフリーホイール(ボスフリー)のメンテナンスの話です。

フリーホイールは、
とても重要な機能を担っているにもかかわらず、
外側の汚れを落としたり、たまに注油することはしても、
奥の方までメンテナンスされることが少ない、気の毒なパーツです。

なので、古いバイクを入手した時、
フリーの調子があまりよくない、ということはよくあります。


このフランス製のマイヨール MAILLARD のフリーも、
外見はまずまず綺麗なのですが、
ラチェットに少し引っかかりを感じる箇所があります。
このまま使い続けると寿命を縮めることになるでしょう。
んじゃってことで、フリー本体のオーバーホールをしました。

スプロケットを外したら、


リング状のフタ(ベアリングの玉押しでもあります)を外します。
たいていキツく締まっていて、


こういうカニ目レンチで緩むことはあまりありませんので、


ポンチとハンマーで穴(というか窪み)を慎重に叩いて緩めます。
ここは逆ネジですから、時計方向で緩みます。

フタが少し緩んだらそのままトレーの上に移動します。
油断していると、ベアリングのボールがバラバラっと飛び散る、
という悲劇を招きやすいので、
必ずトレーの上で作業してください。



幸いこのコはオイルが十分効いていて飛び散りませんでした。

で、いきなり、はしょってしまいますが、


分解洗浄が終わったところからを話をします。


フリー本体の構成パーツはこれだけです。
案外少ないでしょ。

パーツの状態を細かく確認します。





思ったよりもずっと状態はよいですね。


ラチェット動作の要である歯車や


ツメもバネも問題なし。ヨシヨシ。

ボールは規格品なので新品交換が可能ですが、
それ以外の部分の磨耗や腐食がかなり進んでいると、
OHしても完全復調は難しいです。
でも、このコはまず大丈夫でしょう。ヤル気がでます ^^


これ、ツメ押さえのワッシャー&スペーサーです。
これらの厚みでベアリングの玉当たりが決まります。
このコの場合、玉当たり調整用の薄いスペーサーは1枚だけでしたが、
個体によっては2〜3枚入っていることもあります。

さて、組み立てます。


外ボディの下側にボールを並べます。
グリスはボールが落ちないだけの最小限がよいです。



内ボディにツメとバネをとりつけます。穴にはめるだけです。
ツメがバネによって外向きに跳ね上がっているのがポイント。

ワッシャー&スペーサーも元どおりに入れます。

で、内ボディと外ボディをはめ合わせるのですが、
ツメが出っ張っているので、スポッと入るわけではないです。
外ボディを反時計回りにひねりながら入れたりするんですが、
ツメやバネはしっかり固定されているわけではないので、
けっこう難しかったりします。

うまくいかない時は以下を試してみてください。


サランラップを少々。


ラップでツメを抑え込むように巻いてから


外ボディをかぶせます。


ラップが破れないようにそっと抜き取ります。


できっ ^^

ここでラチェット機構について少し説明しておくと、
外ボディ内側のノコギリのような歯車に、
内ボディのツメがバネで常に押し付けられています。

ペダルを踏んだ時(外側ボディが時計方向へ回る時)だけ
ツメと歯車がかみ合い、車輪に力が伝達されるという仕組みです。
チャリチャリ音は歯車とツメのぶつかる音です。

あんなちっちゃいツメで、
ペダルを踏む込んだパワーを一身に受けているんだ!
と思うと、なかなか感動的?

で、組み立ての続きです。


上側のベアリングのボールも並べます。グリスは不要です。


フタを閉めます。
カニ目レンチが使えるならそれで、
使えないならポンチとハンマーできっちり締めます。

この時点ではオイルがほとんど入っていませんので、


どぼん!
とギヤオイルのお風呂に漬け込みます。
内部までしっかりオイルがしみこんだら


引き上げてしばらく放置(油切り)。
表面の余分なオイルを拭き取ればフリー本体のOH完了です。

程よくウエットな感触で、かつスムーズな動きになりました。
ラチェット音も小気味良いです。
これならとても気持ちよく使えますよ ^^

なお、ギヤオイルに漬け込む工程を避けたい(orできない)なら、
組み立てる際に、上側ベアリングや内部にもグリスを使ってください。
この場合、粘度が低めのグリスを、なるべく少量使うのがおすすめ。
グリスでねちょねちょになっちゃうと、回転が重いだけでなく、
ラチェットが正常に機能しないこともあります。

他のメーカーでもボスフリーの仕組みは基本変わらないです。
ここがメンテナンスできれば、バイクはぐっと長持ちするでしょう。

以上、ご参考になれば幸いです。

では

Campagnolo CHORUS 1st ヘコんだブレーキパッド

初代コーラスについてのネタは、これでおしまいの予定。

細かい話になりますが、モノプラナーブレーキのシューについてです。

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キャリパー本体のモダンな姿にくらべると、
鉄製で角形の、従来とあまり変わり映えしない感じ。

ただ、アーレンキー式のボルトを使うようになり、
そのためにシュー内側に雌ネジを内臓するようになりました。

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ブレーキパッドの内側の中央部分がヘコんでいて、
雌ネジの小パーツがそこににハマるようになっています。

話のついでに、
旧いカンパ製のブレーキパッドをいくつかお見せすると、

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これはCレコ期よりも以前、ずーっと長いあいだ使われていたタイプ。
これが現在でも純正新品で入手できるってとこが、カンパのすばらしいところです。

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これはCレコ期のデルタブレーキ用。

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これはCレコ期のコーラス用ですが、92年以降の形状が長円型に変更された物。

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この茶色いのは SYNT シントというパッドで、80年代のカンパ純正オプション品。
まるでコルクのように見えますが、何やらを焼結成形した素材でカチカチに固いです。
カタログでは摩擦係数が高くてよく効くというフレコミですが、
実は、私もまだ使ったことがないんですよね ^^;

で、この SYNT パッドは

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初代コーラスのモノプラナーブレーキ用の形状なので装着してみました。

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ほほぅ、よく似合いますねぇ。
筆記体の “Campagnolo” ロゴもおしゃれ、高級感もありますね。

じゃこのまま使ってみることにしましょう。

では

Campagnolo CHORUS 1st Generation

カンパニョーロ CHORUS 初代コーラスがセットで入ってきました。
Cレコ期、1987〜90年ころの物です。

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この写真は、まだ何もメンテナンスしていない状態なので
そこそこ汚ないですが、これなら全然きれいになります。

とか言ってるうちに、

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分解と洗浄まで済みました。
ここまで、わずか30秒くらいです(ウソすぎる)

初代コーラスは、Cレコ期カンパの
これまでとは違うものを
という想いも垣間見れる、なかなか面白いヤツです。

最近ブログのネタに困っているので ^^;
何回かに分けてご紹介していきたいと思います。

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では

Campagnolo C-RECORD 初代リアディレーラー(泣ける話)

今回のネタは

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ご存知、カンパニョーロ・Cレコ 初期型のリアディレーラーです。
1984〜88年頃のモデルです。

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全体的にま〜るい、ぽっちゃりさん。
プレートの盾型ロゴは、印刷じゃなくて刻印。

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プーリーケージは初期型ならではのフルカバードタイプ。

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裏側も手抜きなくツルツル仕上げなのがすばらしい。

どこを見ても個性的で魅力的なこのモデルは、今も昔も超人気者
箱入り未使用品やミント・コンディション物はコレクターが手放さないか、
あるいはとんでもなく高価で… ^^;

で、この写真のコは、
傷や使用感はあるけど、まずまずってとこでしょうかね。

もう一箇所、注目すべきポイントがあって、

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ピボットボルト側にもスプリングが内蔵されています。
これは最も初期のモデルの特徴です。

このスプリングは、
ダブルテンションで変速性能を向上、ということではなくて、
ホイールの脱着をしやすいように、ディレーラーを後方に引く(開く)という、
微妙な(無くてもさほど困らない^^;)機能のために付いています。

ただ、この機構はいつの間にか(時期がはっきりしませんが早い時期に)廃止され、

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昔ながらのスプリングなし仕様に変更されます。
中古市場で多く見かけるのはこちらのタイプです。

と、ここで話を(めでたしめでたしで)終わりたかったのですが…

よく見るとですねぇ
とても残念なことに気がつきます。

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くだんのピボットボルトを裏で受けるパーツが欠損していました(泣)
エンドのストッパー爪に引っかかるべき部分がパキッと割れています

あいたぁー、やられたばい

これだと、
ストッパーが無いのと同じ(スイング角度が制限されない)状態になります。
まぁ、変速できなくもない、と思うのですけど。

これと同じ壊れ方を見たのは、実は、初めてじゃありません
ちょくちょくある事なんです。
割れちゃうような素材を使ったってのは、ぶっちゃけ、設計不良ですね。
機能がしれっと廃止されたのもこの不良が多発したからじゃないかな?

この欠損パーツだけの入手はかなり難しいですし、
同じ型のドナーを探して移植するにしても、いつになるかわかりませんので、
残念ながら「入団早々、故障者リスト入り 」が決定。
とほほ…(また泣く)
ま、そのうちなんとかしましょう。

本日の教訓:
Cレコ初期型のリアメカは、ピボットボルトに気をつけろ!

では

GIANNI MOTTA パーツをオーバーホール中

個人的には、相当気に入っちゃってる GIANNI MOTTA

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パーツの入荷にちょいとスッタモンダあったのですが、
ようやくパーツのオーバーホールをしています。

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Campagnolo Super RECORD

フルセットずらっと美品ですよっ。もう誰が見たって。

こいつあぁ上物ですぜ、旦那。へっへっへっ ^^

バラバラに分解されて、過去の汚れや罪をすっきり洗い流した姿は、
なんだかとっても爽やかですね。

で、

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これをに、気持ちよく酒が飲めます。^^;

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基本はお湯割り派の私でも、この季節はやはり冷たいのが欲しいで、
芋焼酎を割り水(ミネラル水で割って数日寝かす)して
冷蔵庫で冷やしておきます。
まろやかな味わいになりますよ。…って、なんの話でしたっけ?

GIANNI MOTTA はもうちょっとお待ちください。

では

DE ROSA 用 Campagnolo RECORD オーバーホール

DE ROSA PRIMATO 用の1993〜94年式 Campagnolo RECORD
鋭意オーバーホール中です。
(外はひたすら暑いので、なるべく屋内作業に逃げます ^^;)

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もともと使用感は少なめで、傷なども少ないので、
特に問題になるところはないでしょう。
というより、けっこうな美品揃いですよ。うひゃひゃ ^^

分解して洗浄して、
小さなパーツひとつひとつが輝きを取り戻していくのは、とても良い気分ですね
でも、締め切った部屋でエアコンつけて作業していたら、
パーツクリーナーの臭いを吸いすぎて、ちょっとやばいかも…

うひゃひゃ

トゥクリップ&ストラップにまつわる昔話

先日、同年代のお客さんと世間話をしていた際、
昔は、靴底にシュープレートを取り付けるのに釘を打ってましたねぇ
という、懐かしい話がでてきました。
今回はそのへんの話を。
まぁおっさんの昔話になります。

ビンディング式のペダルが普及する以前は、
トゥクリップ&ストラップを使うのが一般的でした、というのはご存知だと思います。

スニーカー的な靴を履いてトゥクリップ&ストラップを使っている方が多いと思いますが、
レースなどでは、靴とペダルをしっかり結合するために
シュープレート」という金属や樹脂でできた物を靴の底に取り付けます。

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この年季の入ったSIDIのレーサーシューズは80年代のものです。

この靴ではシュープレートのベース金具が、あらかじめ靴底にカシメられていますが、
70年代までさかのぼると、シュープレートは靴底に釘を打って付けるのが普通でした。

残念ながらそのころの靴など実物はもう無いのですが、
当時のメンテ本に、シュープレートの付け方が掲載されていますので紹介します。

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サイクルスポーツ 昭和52年11月号臨時増刊『自転車の整備と修理』
1977年、若き日の私が購入したものです。個人的なお宝。

「シュープレートの付け方」(p.116)より引用。

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新しいクツは打つ位置がわからないので、1日くらいは付けずに乗って、
ペダルのプレートの跡がくっきりついてからにしよう。

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ペダル・プレートの跡は2本付いているが、
後ろの跡よりシュープレートのミゾが少し前にくるあたりに仮止めする。

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仮止めの状態で1〜2キロ乗ってみて、
しっくりこなかったら前後、角度などを一度チェックして本止めする。

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クギの長さは底の厚さによって違うが、
クツの内側に出て2ミリぐらい曲るものがちょうど良い。ヤジリ状のクギもある。
(引用終わり)

これはどう見ても靴屋さんの仕事だっ

でも、この本を見て、当時の私も自分で釘を打ちましたねぇ ^^;
そして案の定、失敗
釘は曲るし、まっすぐ刺さらないし、プレートの位置はズレるし…。
失敗談は忘れないですね。なつかしいです。

なお、
トゥクリップ&ストラップ&シュープレートの3点セットは、
一部の愛好者以外にも、競輪などガチの世界で現役で使われています。
現代のシュープレートは、たいていクリート取付穴にボルトで固定する様になっていて
位置の調整も可能です。
とはいえ、ビンテージバイクで比較的ゆったり走るのには必要ありませんし、
お勧めもしません。

—-
かなり蛇足ですけど、
表紙の黄色い自転車が気になる。

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ギヤクランクとFDは初代ュラエース、RDが初代サイクロン、ペダルは極東プロエースかな。
なかなか私好みのチョイスです。
ブレーキが MAFAC のセンタープル直付というのが、さらに泣かせます。
WOLBERのチューブラータイヤも懐かしい。何度も何度もパンク修理して使い倒したもんです。

ちなみに、表紙モデルの彼女は1960年製くらいかな?
…それは余計なお世話ですね。^^;

では

Campagnolo 怪物メカ “SUPER SPORT” 誕生?

今回はカンパニョーロのリヤディレーラーで一席。

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この (Nuovo) SUPER RECORD と、

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この (Nuovo) GRAN SPORT  を一緒にオーバーホルしたので
分解バラバラの状態で比べてみました。

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この SUPER RECORD は82年製。

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GRAN SPORT の方は、
ボルトやパンタピンの形状などの特徴から80年前後の物だと推定。
見た目では GRAN SPORT の方がかなりレトロな雰囲気ですが、年齢はあまり変わりません。

さて、
ハダカのボディーを比べてみると、

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パンタピンや上下ボルト位置のジオメトリは同じようです(厳密な計測はしていませんが)

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パーツを比べても、その構成や部品点数もほとんど同じ。
なので、メンテナンス性の良さも同じです。

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同じ部位のネジやバネを並べてみても、

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素材や仕上げなどはもちろん違いますが、基本的な寸法は共通です。
Nuovo RECORD と並べても同じで、この3モデルは、ルックスは個性が違いますが、
実は三つ子みたいなもんですね。

唯一、寸法の違いがはっきりしているのは、プーリーケージで、

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上下プーリー軸の間隔は同じですが、

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テンションボルト軸からプーリー軸までの距離が違いますね。
SUPER RECORD の方が少しロングケージなんです。
キャパシティーは SUPER RECORD が28T、GRAN SPORT が26T となります。

これだけパーツに互換性があるなら、
ガチャガチャっと混ぜて組み立ててもまともに動きそうですね。
名付けて “SUPER SPORT” なんてね?
いやいや、
そんなフランケンみたいな事しませんよぉ…期待してました?^^

—-
SUPER RECORD と GRAN SPORT を直接比較すると、
やはり素材や仕上げなどでコストの掛かり方が違うのがよくわかります。

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GRAN SPORT の鉄プレス製のプーリーケージとか、

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大雑把な感じのレタリングや、六角頭のボルトなんかは、
まぁ言ってしまえば「安っぽい」のですが、
でも、
そこが逆に「GRAN SOPRT、いい味出してますねぇ」というポイントだと思います。

Cレコ期の VICTORY に代わるまで、この姿のまま作り続けられますが、
最後の頃にはコストの制約というよりも「あえてこのキャラクターを守っていた」
という感じすらするのですが、どうでしょう?

では