自転車の車重のはかり方・疑惑の検証

動力源が人力である以上、自転車は軽いにこした事はありません。
当店で扱っているような旧い車では、最新のカーボンバイクに重量ではかないっこありませんが、
昔は昔なりに、少しでも軽いパーツを選んで、
さらに軽量化しようとして、あちこちドリルで穴をあけたり削ったりしたもんです。
やりすぎて壊したりしてね。^^

旧車といえども、やはり、ある程度は重量が気になるっちゃぁ気になりますよね。
メーカー量産車のように「カタログ値」はまず無いので、自分ではかるしかないですが、
そういう時、みなさんどうしてますか?

ここでは、あまりお金をかけずに完成車の重量を量るる方法と、
その測定値の信憑性についても考えてみたいと思います。

まずはウチで使ってるこれ


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DAIWA デジタルスケール25。25Kgまで、0.01Kg単位で表示できます。
本来は魚釣り用で、25Kgの「大物」でも量れます!という、なかなか夢のある商品です。^^
イカ用のダブルフックも付属しています。^^
買値は3000円くらいだったかな。
主に宅急便などの重量を確認するのに使っていますが、
「少し軽めの値になってんじゃない?」
という疑惑もあり、あまり信用していないので、簡易的にですが検証してみます。

測定可能範囲の全域で精度が均一とも限らないので、
10Kg前後の物を量った時の正確さを確認したいところです。
そういう基準にできる物がないかと身の回りで探してみると、

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お、これこれ。
水が2L×6本で12Kgとして、

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空のペットボトルが1ヶ42g(6ヶで252g)、

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段ボール箱が365gの、
未開封の箱ごとで、合計12617g。これを基準にします。
(このキッチン用のはかりはそれなりに正確だという前提でお願いします^^;)

魚釣り用のはかりにかけてみると、

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吊り下げ式だからか表示値がなかなか安定しませんが、
12.6Kg前後とでました。おぉ、予想に反してほぼぴったし。

疑惑は払拭された^^ということで、商品の完成車をはかってみると、

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白いロッシン:約8.9Kg

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コルナゴスーパー:約9.1Kg。(両手が塞がっていて測定値の写真撮れず)
結構、軽い。^^
あとペダルとトウクリップ&ストラップを付けると約0.5Kg追加ってとこかな。
測定を繰り返していたら腕が疲れてきました。
はかり自体を天井から吊り下げたり出来ないのであまり使い易くはありません。

もうひとつ、一家に一台はあるだろうこれ

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デジタル体重計。
このコは100g単位で表示します。最近は50g単位の物もあるようです。
これで日々、一喜一憂される方もいると思いますが、正確なんでしょうか?
南アルプスの天然水を乗せてみると、

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12.6Kgと出ました。
ほーこれもピタリですねぇ。さすがタニタ製?

ここに自転車を単独で乗せたいところですが、それにはまだ工夫が必要なので、
とりあえず自転車を抱えて体重計に乗り、自分の体重分を引いてみました。
・白いロッシン:8.9Kg
・コルナゴスーパー:9.1Kg
同じ結果です。めでたしめでたし。
なんだ、体重計でも用を成すじゃん。なにも苦労する事は無かったか…。^^;

以上、ご参考まで。大した参考にはならないか。

少なくともウチで使っている魚釣り用のはかりや体重計は、
自転車の車重を量るのにもソコソコツカエル、ということは確認出来ました。
まぁその程度のことで。

では

Campagnolo 超軽量ペダルの正体?

今回のネタは



オールドカンパのペダル Super Leggeri スーパーレゲロです。
英語表記では SuperLight つまり「超軽量」です。

オールドカンパ・レコード系のペダルのラインナップは、
・スーパーレコード:黒いアルミプレート、シャフトがチタン製
・ヌーボレコード :クロームの鉄製プレート、シャフトが鉄製
あとから追加されたのが、
・スーパーレゲロ :黒いアルミプレート、シャフトが鉄製
となります。

ややこしいのは、スーパーレゲロ(超軽量)という名前なのに、
一番軽いのは当然チタンシャフトのスーパーレコードだし、
スーパーレゲロとスーパーレコードは、ぱっと見では見分けが付きにくいところ。
よく見るとシャフトの風合いが違う、くらいで。

実際、オークションなどでも「よくわかってない」まま売られていたりします。
スーパーレゲロのつもりで落札したらスーパーレコードだった、
という「ラッキー」は少なくて、その逆がありがち^^;なので要注意です。

さて、今日はオールドカンパのペダルを3組まとめてメンテしました。


せっかくなのでシャフトを比べてみましょう。


スーパーレコード(左)のチタン製、スーパーレゲロ(右)の鉄製です。
左のがいわゆるチタン色をしていますが、写真でわかりますかね?



重量は、当然、チタンのほうが軽量です。
個人的には、重量や材質の違いが気になるような乗り方はしないですが、
なにしろ「チタン」っていう贅沢感というか、特別感がたまらんのですね。

で、違いはシャフトの材質だけかと思いきや、
実はそうでもなくて、ベアリングのボールの径が違います。


スーパーレコードは小さい1/8″(左)、スーパーレゲロは標準的な5/32″(右)。
なので、玉押しやカップも違う物が使われます。


玉押しです。左がスーパーレコード。どちらも鉄製。



スーパーレコード(上)の方が玉押しに厚みがあるぶん、重いです。
せっかくシャフトが軽いのにね、ちょっと残念?



昔のカンパのカタログを確認すると、構成パーツの品番がこまかく違いますね。
レストアやニコイチなどをされる際はご注意を。


オールドカンパのペダルは、ほんと精度や耐久性が高くて、
適切なメンテナンスをしていれば、長年の愛用に応えてくれます。
値段が高いだけの事はあります。
ですが、ペダルは、使っていれば間違いなくキズだらけになりますよね。
そこに大枚をかけるというのは、家族の理解を得るのは難しい…。^^;
でも「おしゃれは足元から」とも言うし、旧車好きとしては踏ん張りどころですね。

なお、
当店で販売している完成車にはペダルが付属していないものが多いですが、
ご希望や乗り方など相談して頂ければ、おすすめの物をご提案致します。

では

Campagnolo リア変速機のプーリー割れ

今回はこれ

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カンパのリアディレーラー、78年製の後期型スーパーレコードです。
まずまずコンディションはよいのですが、プーリーは交換が必要です。

オールドカンパをお使いの方やお好きなはご存知かと思いますが、

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こんなふうに、けっこう「パックリ」割れちゃうんですよ。
同じように割れているものを、これまでいくつも見てきましたから、
まぁ持病みたいなもんですね。
割れ方からすると製造上のナニカもありそうですが、
何十年も昔のプラスチックの経時劣化に文句も言えませんわな。

状態の良いスペアパーツがすぐに入手出来そうにないので、
今回は代替品を使う事にします。

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BBBの「BDP-01」という製品。定価で2000円くらい。
歯数が10Tなのが重要なポイントです。

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プラモデルみたいに数種類のスペーサーが付属していて、

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「B」のスペーサーセットを使えばカンパの8速に対応できます。

カンパオリジナルのプーリーは、元々6速以下時代のものなので、

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厚みが実測10.7mm あります。

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代替品のBDP-01はBのスペーサー使用時で10.0mm。
すこし狭くなるのですが、8速対応のチェーンを使うので問題ありません。

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UPPER、LOWERの指定があるので取付けるときは注意します。
歯の部分の厚みが微妙に違うんです。

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装着しました。
シールドベアリングも入っていて回転はスムーズでガタも無いです。
見た目もあまり違和感ないですよね。
まだ実際に使っていませんが、これならまず大丈夫です。

このスーパーレコードは準備中の白いロッシンで使う予定です。

では

Campagnolo C-RECORD クランク他

今夜の肴もカンパニョーロの C-RECORD です。

まずは、ギヤクランク。

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うーん、美しいなぁ。
ムダが無い。
一見、のっぺりしているようで、

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横顔はけっこうシャープ。

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どこから見てもデザインが効いています。
5アームの一本をクランクと一体化するのも、このコが最初じゃなかったかな。
それにしても、Nレコ/Sレコからの変化量は、凄まじいです。

現在のカンパクランクは、すっかりガングロ(例えが古いな)になってしまいましたね。
ATHENA や VELOCE でかろうじてシルバーが残ってるようですが、
この C-RECORD クランクと比べると、かなりガッカリします。
C-RECORDクランク、復刻すれば売れると思うけどなぁ。

なお、このクランクを使う上で注意すべき点は、
脱着にカンパ純正の特殊な専用工具が必要なことですね。
あと、7mmのアーレンキー(これも一般的なサイズじゃない)も必要です。

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パーツ自体よりも工具のほうが希少、という「ビンテージあるある話」です。^^;
これについての詳細は、また別の機会にグチることにします。

次はハブ。

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C-RECORD デビュー当初はまだ6速の時代で、ボスフリーです。OLDも126mm。
デザインは現代的になりました。フジツボのようなダストキャップが特徴的です。
真ん中にグリスホールがあるのは、一応、RECORD の伝統ですかな。

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91年から、8速化にともないフリーハブとカセット式スプロケットに。
OLDもこの時から130mmになります。
こうなると、もうビンテージ感が薄れてきますね。^^;

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デュラエース7402のハブに比べ、フリーボディーが簡単に外れるのはいいな。
てか、フリー外さないとハブ軸のベアリングのメンテが出てこないんですけどね。

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このブレーキレバーは、92年以降の、Cレコの(非エルゴパワーの)最終型です。
92年には初のエルゴパワーが登場していますが、しばらく並売されています。
Cレコ初期からカタチはほとんど変わりませんが、地味に内部の機構が改良されています。
レバー上部の穴からワイヤーを通せるので、ワイヤー交換は楽チンです。
Cレコの特徴でもあった白いラバーフードは黒が標準になり、ちょっと没個性かな。

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シートポストは、Cレコ期の最初から最後まで、何も変化が無かったように思います。
よくまぁエアロ形状を長いこと貫きましたね。^^;
Cレコ期が過ぎた95年からは、ただの円柱状に先祖帰りするんですが。

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ヤグラの設計はほぼSレコと同じ。とぼけた顔に見えるのも伝統?

さて、Cレコはそろそろネタ切れです。
たいした話じゃなくてすみません。特別詳しいわけでもないので。^^;

Cレコ期を、カンパの「迷走期」だと言う人もいます。
確かにそういうところもあると思いますが、だからこそ「面白い」とも言えますね。
ぶっちゃけ、これより後の時代の物にはあまり興味が湧かないです、私。

では

Campagnolo C-RECORD DELTAブレーキ

今夜の肴はこれ、

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カンパニョーロの C-RECORD デルタブレーキです。

今見ても、すごいというか、この先も絶対あり得ないだろうカタチですね。
知らない人が見たら自転車のブレーキだとは思わないでしょう。
とにかくデザインで「あっ」と言わせたい、というカンパの執念を感じます。
はい、あっと言いましたよ、私は。
デザイナーのドヤ顔が見えるようです。

日本では、そのカタチから「イカブレーキ」と呼ぶ人も多いですが、

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この前面のフタが外れる様子は「カニ」のようでもあります。
でも、私には「おしり」にも見えます。もちろん女性の、ですね。^^;

さて、
デルタブレーキを含む C-RECORD は1985年頃のデビューです。
初期型のデルタは、ブレーキとしての性能に関しては評判が芳しくなかったのですが、
私の認識では二度ほどマイナーチェンジは行われていて、
この写真の物は、性能的な改善も完成された91年以降の最終型です。

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初期型とは内部の機構がかなり違うので、実質的にフルチェンジと言って良いでしょう。
このカタチのまま性能を改善するのには設計者も苦労したろうなぁ、と想像できます。

それにしても、
こんなの、よくもまぁ量産する気になったもんだ、と関心するというか何というか。
コスト度外視の設計だと思います。どうりで、値段高かったもんね(今でもね)。

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イカの胴体には汚れもたまりやすいので要注意(メンテナンス前の写真です)。
黒いのはイカスミじゃないです。

ゲソ(ブレーキアーチ)がとても小さいですね。

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ブレーキシューの上下のスライド量もわずかしかありません。
太めのタイヤを履くと「股間」を擦って痛そうです。^^;

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フレームへ取付けるボルトがスライドして、高さ調整できるのもデルタならでは。

そんなこんなをクローズドボディに詰め込んだために、結構ボリュームがあります。

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よくも悪くも「存在感」はハンパない。(お隣は比較用のシュパーブプロ)
なので、サイズの小さいフレームに取付ける場合は、
見た目のバランスが悪くなったり、ケーブルの引回しが窮屈になる事もあります。

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ちなみに、シートチューブが51cm(C-T)のフレームに付けるとこんな感じ。
どうですかね?

それしても、こんなユニークなブレーキは、もう二度と世に出ないでしょう。
世界ナントカ遺産に指定したいくらいです。

では

麗しの初代サイクロン・リヤディレーラー 前編

さて、今夜の肴は、タイトルの通りこれです。

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国産のリヤディレーラーの中では、現在でも
「最も美しい」
と勝手に思っている、70年代のサンツアー初代サイクロンです。

どこがそんなにいいの? って聞かれてもなかなか困るんですが。
ヒヨコの時に刷り込まれたってことはあるかな。^^

同じ時代のデュラエース(クレーン)が

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ガタイがゴツくて、男っぽい感じだった(これもすごくいいんだけど)のに対し、
サイクロンはなめらかで、女性的、上品な感じすらします…
って、思春期の私は完全にやられたわけです。たぶん。
軽量だし、変速のキレも良かったですし。
料理用はかりでの実測値は、前期型クレーンが226g、サイクロンが185gでした。

シフトワイヤーをパンタグラフの中に通す機構が、実にスマートです。

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ここから入れて

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ここに出す。

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「ストレートワイヤー・メカニズム」と言ったかな?
そんないかめしい名前をはいらないです。とにかく美しいので。^^
かわりに作業性はよくないです。ワイヤーのアジャスタもないし。
でも、美人さんのためなら何でもしますよ、ボク。^^;

ただ、ワイヤーを留める袋ナットはいかにも汎用品。
他になかったの?
と言いたくなりますが、完璧じゃないから魅力的なのかも?

久しぶりにオーバーホールしました。

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シングルテンション(エンド側にスプリングが無い)なので、部品点数も少なくて、
難しいところも特にありません。整備性はよいです。

—-
さて、サイクロン好きの方ならご存知と思いますが、
初代サイクロンRDには、さらに前期型と後期型があります。
ここまでに載せた写真のものは後期型で、

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こっちが前期型。
(キズだらけなのは、私がさんざん使ってたやつだから。^^)

前期と後期でなにが違うかといえば…
えー、話が長くなりそうなので、続きは次回へ。すみません。^^

では。

シマノ初のクリップレスペダル PD-7401 整備編

前回ご紹介した PD-7401 をメンテナンスします。

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現状、スピンドルはスムーズに回るし、ビンディングもちゃんと機能しているので、
特にメンテナンスが必要な理由は無いのですが、まぁ、紹介した勢いですね。^^;

まず、ビンディング部です。
とにかくフタを開ける以外、切り口はないようです。

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でも、ネジ穴が「星形」です。
普通のプラスやマイナスのドライバーでは開けられません。
これは「素人さんは開けないでね」とメーカーが言っているんですね。
でも、開けますよ。^^

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ちょうど良いドライバーを持っていました。
パソコンのハードディスクをバラすときに使ってたやつが役に立ちます。^^

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おや、かなりシンプルな機構。
真ん中の金具を留めているピン状の物は、クランプ強度調整ボルトの先っぽです。
これをペダル底面から締めると、バネを引っ張るだけなのね。

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そのクランプ強度調整ボルトをもっと緩めればバラせそうですね。
っと、思ったのですが、
ここをバラすと、バネが強くて元に戻す時メンドウな事になりそうな予感が。^^;
なので、
このまま、クリーニングと注油をすることにします。はは。

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フタをすればほぼ密閉状態なので、そんなに神経質になることはないでしょう。

次はベアリング部です。

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クランク側にロックリングがあるのは、現代のSPD系ペダルと基本的に同じですね。
でも、このロックリングを回すのには TL-PD30 という専用スパナが必要です。

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この専用スパナを使うのは、このPD-7401のほかは、

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この、ひとつ前の DURA-ACE PD-7400 の2モデルだけだと思います。
パーツ自体よりも、工具のほうが希少で入手が難しいのは困ったもんです。

どっちに回すと緩むのか一瞬迷いましたが、正ネジでした。左右とも。

シャフトを抜くと

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ふーん。「玉」と「コロ」の合わせワザですね。たまころたまころ。
玉は、クランク側が14個、シャフト先端側が8個。

洗浄しました。

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玉もコロもカップもシャフトもきれいで問題無し。
外観がキズだらけなのに比べると意外なほど内部は健全です。
そこはさすがデュラエースグレードかな。

さてグリスアップしながら元通り組み立てます。

シャフトの先端部は玉押しになっていて、
ペダルボディのシャフト穴の一番奥がカップになっています。
えー? どうやってアセンブリするの?ってしばし悩んで、

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まず玉をシャフト穴の奥へ並べました。写真がちょっと分かりにくいですが。
シャフト穴は50mmくらいの深さがあるので、
その奥に8個きちんと並べるにはコツがいります。
説明が難しいですが、私は「綿棒」を使うワザを編み出しました。^^

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クランク側のボールを入れて、コロ軸受けは挿すだけ。
次に開けるのがいつか分からないので、グリスは多めです。

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シャフトを一番奥まで収めて、ロックリングを締めます。
まだグリスの重みが残っているけどガタなくスムーズに回ります。おりこうさん!

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出来上がり。

せっかくメンテナンスしたので、どなたかに使ってほしいですね。
でも、いまあえてこのペダル(とDELTAクリート)を使おうという人がいるのか?^^;

では

庶民派センタープルブレーキ MAFAC “RACER”

フランス製のビンテージパーツにおいて、
ブレーキと言えば、なんと言ってもマファック MAFAC ですよね。
ランドナーやスポルティーフのフレームをオーダーするなら
MAFACのブレーキ台座を直付け(じかづけ)するのが旧習?でした。
いまでもお好きな方は多いですね。

で、今回のネタはこれ。

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センタープルブレーキ MAFAC “RACER” です。
これは70年代中頃の製造じゃないかなと思います。

様々な車種で幅広く使われていた、ロングセラーでベストセラーの中級モデルですが、
その名前が示す通り、ロードレーサーでも使われていました。
昔は「制動力なら MAFACのセンタープルが一番」という評判もあって、
ロードレーサーをカンパやシマノで組んでも、
ブレーキだけは MAFACのセンタープルにするという方も結構いましたよ。

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入手後、そのまま放置状態だったので、キレイにしてあげました。
バラして、洗って、サビを落として、少し磨いて、組み立てて。

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でも残念ながら、

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シューを固定する部分のアルミ製ワッシャーが1ヶ割れていました(泣)。
フランス製だけに、パリッ…。ごめんなさい。
左右のアーチを繋ぐワイヤーも痛んでいて、寿命です。
スペアパーツが手元に無いので、結局、また放置かな。^^;

デザインについては、いまさら私ごときが何か言うこともありません。
ビンテージパーツのアイコンの一つでしょう。

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モデル名に “RACER” とダブルコーテーションが付いているのは、なぜ?

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現代の基準からすると「この薄っぺらなアーチで大丈夫なの?」ですけどね
そこがいいのよ。^^
当時のフランス製らしい品質感(^^;)も味わい深く。

んで、フランスのパーツは、やっぱりフランスの自転車に似合います。

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当店のなごみ系アイドル「ピンクのメルシエ MERCIER」に付いているのも同じ “RACER”。
はまりますな〜。日本車やイタリア車だとこの雰囲気にはならないです。

MAFACのセンタープルには、Competition や 2000 といった上位モデルがあり、
当然、そっちの方が高級感のある仕上げなんですけど、
私はこの”RACER”の庶民的な?素朴な感じが、なんだかとても好きです。
カンパニョーロの GRAN SPORT が結構「いい味」出しているのと通じますかね。
シンパシーを感じます。
私の経済的事情がそう感じさせるのかも…。^^;

では

もったいないロードフレームの使い道

タイトルの「もったいないフレーム」とは、これです。

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シートステイの彫り物に「IMPETUS」とあります。
火の鳥らしきマークや刻印もありますが、
実はこのブランドについては、私には詳細が分かりません。
でも、とても作りの良いフレームです。

ラグワークも、フロントフォークも、清く正しく美しいです。
チューブはコロンバス製(たぶんSL)。
ロードエンドやシフトワイヤーガイドはカンパニョーロ製。
塗装の下はオールめっき。
80年代の日本製でしょう。
きっと由緒正しい出自(OEMの製作元)ですよ。

ただし…トップチューブに立派なヘコミがあります。

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これがカーボンフレームならバキッと割れているでしょうね。

一応、フレームゲージをあててみると致命的な問題は無し。
まだ乗れるっちゃぁ乗れるんだけどなぁ。
もったいなーい。モッタイナーイ。

せめて「ブログのネタ」になってもらおう、ということで今回登場となりました。^^

それで、このフレーム、何に使うの?
という疑問はさておき、
痛んでいる塗装を全て剥離する事にします。

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剥離材、強力タイプです。匂いも強力です。

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どろん、としています。
これが間違って体にに付くと痛いっ!ですからね、

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ハケで飛ばさないように、ゆっくり、でもたっぷり塗ります。

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すると、わずか20〜30秒でキモイ感じに塗装が浮き上がってくるので、

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まだ柔らかいうちにスクレーパーかヘラで軽くこそぎます。
細かい所はブラシも使います。
今回は下地めっきのおかげか、いつもより楽に剥がれてくれました。

フレーム全体に一度に塗ってしまわずに、部位で分けて作業したほうが安全です。
できれば、シートポストを取付けておくと、それを掴んで作業ができます。

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水で洗い流しながらブラシで塗料カスを取り除きました。
細かい所はまだ残っていますが、2回目の作業でほぼきれいに落とせました。

剥離完了!
「オールめっきが抜群にきれい、すばらしいです!!」

…と言いたかったのですが、世の中はそう甘くない。

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トップチューブのアウタートンネルは、めっきを施した後に追加工作したもので、
火であぶった後やヤスリの後が残っていて、ちょっと見苦しいです。
他にもちょいちょい、塗装に隠れてたシミやそばかすが。
どうせなら、ヘコミもパテ盛りして、ラグめっきで再塗装すれば…
なんて欲も出てきますが、ま、それは、ね。

さて、
ヘッドパーツも付けました。安物ですがITA規格の新品です。

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うーん、なかなかいいねー。

で、このフレーム、何に使うのかって?
そりゃぁもう当店の「看板娘。」になってもらいましょう!

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ほんとに「看板」ですよ。
(^^)/ (作成中です)

え? こんな使い道では、もったいない?

では

ウチの次男坊が愛車をメンテナンス中

身内の話で恐縮ですが、都内の某大学に通うウチの次男坊が
普段は大学構内におきっぱの愛車を持ってきました。

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パナソニックPOSでカスタムオーダーしたものです。
鉄フレームで、しかも濃緑メタリックというオーダー色は、
まだ若いのになかなかシブイじゃないの。^^

彼は、大学の自転車部(ツーリング班)に所属していて、
これを購入して1年ちょっとの間に、
北海道だの九州だので4000kmくらい走ったそうです。

大きなサイドバックを後ろ左右に積んでキャンプをするので、
リヤキャリアを付けるためのダボがフレームにある事が必要条件なんだそう。
だったら700cじゃなくて、素直にランドナーとかにすれば?
と言ったら、
「いや、普段はもっと軽快に走りたいし、競走するイベントもあるし」
ああそうなの。

その彼の愛車は、夏合宿から帰ったままでそれなりに汚れています。

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乗ってみると、フロントブレーキの効きが悪い。(シューがボウズじゃん)
あとハブがすごいゴリゴリ。これはマズイなぁ。

次男坊が「自分でメンテナンスする」と言うので、そういうことに。
メニューとしては、
・パーツはなるべくフレームから外して、それぞれ清掃&オイルアップ
・ハブとヘッドはオーバーホール
・チェーン、前輪ブレーキシュー、バーテープは新品交換
・ワイヤー類はインナーだけ新品交換
かな。

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で、 ここまでバラバラにしちゃいました。
って、ここまでやろうよって、私がそそのかしたのですが。^^;
パーツもフレームもちゃんときれいになっています。

ただ、写真じゃ分かりませんが、
フレーム内部に少しサビが出てたり、
フレームの中から細かい砂が出てきたり、
ハブのベアリングに虫食いがあったり、
走った距離と、さんざん雨天走行した影響は出ていました。
やっぱりマメに整備しなくちゃね。

彼がこのバラバラ写真をツイートしたら、
さっそく自転車部の仲間からなにやらリアクションがあったようです。
でもここで達成感に浸っていてもしょうがないだろ。
はやく組んじゃいなよ。

では

ペダルのオーバーホール 極東プロエース編

前回のハブに続き、ペダルのオーバーホールを。
やはりカップ&コーンのベアリングなので、ハブと同じような内容になりますが。

極東プロエースってペダル、古い方ならご存知かな。

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このロードペダルは70年代製。 オーソドックスなきれいな形でしょ。
ただ、これは私が昔愛用していたもので、だいぶすり切れてます。
蹴返しの爪がない(切り落としたわけじゃないのに)のは珍しいかな?

でも、今日の獲物はこっちです。

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同じプロエースですが、トラックペダルをオーバーホールします。
キャップがプラスチック製なので、上のロードペダルよりも新しい製造です。

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よく見ると「NJS」の刻印がポンチ打ち。いかにも手作業。

現状、表の汚れをざっと落としただけで結構きれいだし、回転もスムーズですが、
せっかく縁あってウチへ来たのだからOHしてあげましょう。

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このコのペダルキャップを外すには、この専用工具を使います。

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ロックナットを緩めるとき、シャフトのクランク側をモンキーで固定しています。
ロックナットを緩めて抜いて、
舌付きワッシャを抜いて、
玉押しを抜いて、
シャフトを抜きます(玉が落ちてくるので無くさないように注意)。
玉は一カ所に11個ですね。

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玉はウエスかキッチンペーパーの上に出します。

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ペーパーを折ってかぶせて玉を軽く転がすと、おおむねきれいになります。

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玉は数を確認しながら、茶こしに移し替えた後、
ディグリーザーをかけて、指で直接グリグリして洗います。
(良い子はゴム手袋を使いましょう)

その他の部品もディグリーザーを使ってきれいにします。
細かい所は歯ブラシなども使って汚れを落とします。
まだ乾かないうちにきれいなウエスで拭きます。

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案の定、カップも玉押しも玉もきれいです。ありがたや〜。
洗ったままにせず注油しておきます。

シャフトのクランク側に小さな錆びがぽつぽつ出ていましたが、
ブラシと千枚通しと愛情できれいに取れました。

左右とも同じようにできたら、

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洗浄完了。
「きれいだよ..」
って、優しくささやいてあげるとさらに効果的です。^^

さて、ここから組み立てです。

ご存知と思いますが、ペダルには左右があります。
日本製ペダルではたいてい、シャフトに R,L と彫ってあります。
ボディは、蹴返しの爪やトゥクリップの取付け穴で左右が分かります。
組み合わせを確認してから進めます。

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カップ(両側)にグリスを盛って、玉を並べます。
防錆も兼ねてシャフト全体にグリスを塗ったくります。
玉押しやワッシャ、ナットにもグリスを塗っておきます。

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そろっとシャフトを戻します。

さて、クライマックスの玉当りの調整です。

玉押しを奥までねじ込んで

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舌付きワッシャを入れて、ロックナットを締め付けたら、回転を確認。
ガタが全く無くて、かつスムーズに回るようにアタリを探します。
やっぱり大抵は一発じゃ決まんないです。納得がいくまでやります。
さらにグリスがなじむまで、しばらくシャフトをグリグリしてから再度確認します。

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プラ製のペダルキャップが痛んでいたので、
金属製のキャップ(写真下)を、別のドナーから移植します。質感も断然アップ!

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キャップのネジにもグリスを塗ってから、しっかり締めます。
走行中にキャップを落っことしちゃうと悲しいもんね。

きれいなウエスで全体を拭いて全行程完了!

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よしよし、仕上がり上々です!!
これならどこに出しても恥ずかしくない。

では。

ハブのオーバーホール デュラエース7400編

こー暑いと、エアコンのちゃんと効く部屋でできる仕事に逃げたくなります。
なので、デュラエース7400のハブをオーバーホール…。^^;

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デュラエース最後のボスフリータイプのハブです。
すこし傷や使用感はありますが、はるばるイタリアから帰国してきたコなので、
全部バラして内部もきれいしてあげましょう。

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ロックナット(一番外側のナット)が六角ではなく、ハブスパナを使うタイプ なので、
13mm(フロント)、14mm(リヤ)のハブスパナを各2本ずつ用意します。

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バラす前に、 シャフトの端っこの部分にディグリーザーとブラシできれいにしておきます。
ここのネジに汚れがこびりついたままだと、玉押しなどがスムーズに抜けなくて
余計な苦労をするんですよね。

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ロックナットを緩めて抜いて、
舌付きワッシャを抜いて、
玉押しを抜いて、
シャフトを抜いて(玉が落ちてくるので無くさないように注意)
キャップを慎重に外します。
グリスも残っていて、一応メンテナンスを受けていた様子がうかがえます。

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玉はウエスかキッチンペーパーの上に出します。
ウエスなら、タオル地よりも綿の肌着のような薄くて毛足の短いのがおすすめです。

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ペーパーを折ってかぶせて玉を軽く転がすと、おおむねきれいになります。

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玉は数を確認しながら、茶こしに移し替えた後、

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ディグリーザーをかけて、指で直接グリグリして洗います。
(ゴム手袋を使いましょう)

その他の部品もディグリーザーを使ってきれいにします。
細かい所は歯ブラシなども使って汚れを落とします。
まだ乾かないうちにきれいなウエスで拭きます。
この時
「きれいになぁれ、きれいになぁれ」
と声に出してフキフキすると効果的です。^^

リヤハブも同じようにばらしてきれいにします。

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洗浄完了!
カップも玉押しも玉もきれいです。このままなにも交換せずに行けます。
いつもそうだといいんですけどね。
洗ったままにせず注油しておきます。

でもね、ここで気がついた。
リヤハブのシャフトと玉押しとロックナットが、なぜかカンパニョーロ製だ。^^;

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カンパの刻印があります。
どういう経緯があったのかはわかりません。
でも、ベアリングの状態はよく、バラす前もガタ無く回転もスムーズでしたので、
日伊のコラボは上手くいってるようですね。
まぁ、古い物だと、たまにある事です。
ともかく、意外なところで「シマニョーロ」でした。

さて、ここから組み立てです。
言い忘れましたが、バラす前に部品の順番や向きを確認して覚えておきます。
ま、ハブは比較的単純なのでよいのですが、
変速機などややこしいものは写真に残すと後で助かることも多いです。

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シャフト片方のスレッド部にグリスを塗って、
玉押し、ワッシャ、ロックナットを取付けます。
リヤのシャフト長は実測134mm。オーバーロックナット寸法は126mmなので、
その差の半分、つまり4mmがシャフト端のでっぱりの寸法になります。
そうなるようにロックナットを締めます。

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両側のカップにグリスを盛って、玉を並べます。

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黒いキャップはパチンとはめるだけです。

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防錆も兼ねてシャフト全体にグリスを塗ったくります。
玉押しやワッシャ、ナットにもグリスを塗っておきます。
で、そろっとシャフトを通します。

さて、玉当りの調整です。

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反対側の玉押しを玉までねじ込んだら、シャフトを回してグリスをなじませながら
ガタがなくてスムーズに回るポイントを探りながら玉押しの位置を調整します。

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舌付きワッシャやスペーサーを入れて、ロックナットを締め付けたら、回転を確認。
ガタが全く無くて、かつスムーズに回るポイントがアタリ。
大抵は一発じゃ決まんないので、納得がいくまでやります。
さらにグリスがなじむまで、しばらくシャフトをグリグリしてから再度確認します。

玉当りの調整はカップ&コーン式ベアリングの共通項。
ペダルやヘッド、BBなんかも「納得がいくまでやる」という基本は同じです。

前後とも組み上げたら、きれいなウエスで全体を拭いて全行程完了!

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仕上がり上々!
文句無し!
いずれこれでホイールを組みたいと思います。

ハブのメンテナンスができれば、自転車はずいぶん長持ちしますよ。
まだご自分でされたことが無い方もトライしてみてはいかがですか?

では。